出版社内容情報
《内容》 医学部進学を検討している受験生や両親が知らないと損をする是非とも必要な事前の情報,予備知識をまとめた手引書である. 本当に医師は必要なのか,医師に向く性格から医師の収入,生活の実態など,また医療過誤と訴訟,学閥や学位,開業,専門医制度,女性にとっての医学部など,医師をめぐる諸問題を子細に紹介している.まえがき いわゆる医学部ブームなるものは昭和四十年代に始まり,私が医学部を受験・入学した昭和四十九年頃はまさにそのブームがほぼ頂点にあった時期にあたる.東大においても理科III類(医学部)がダントツの人気を呈し,当時ほとんど人気の無かった理科II類や文科III類に比べて難易度は天と地とも言っていい程の開きがあった. 地方国立大学においても医学部に合格することは東大の普通の学部に合格するのに匹敵するほどの難易度となっており,一方で,生物・農学部・水産学部などは極端な言い方をすると医学部合格ラインの半分の点数で合格するといった状況であった. その後一県一医大制による位台の増加と既設医大の暫定的定員増加措置により医学部入学定員の大幅な増加政策が実施され,五十年代に入ってから難易度はやや緩和されたが,依然として現在に至るまで医学部を希望する優秀な受験生は数多い.しかし,どの程度の予備知識を持ってこの特殊な学部を受験しようとしているのだろうか.多分,私もそうであったように,現在の受験生の相当数は親が医者でなく,家業を継ぐという感覚ではなくて,ただ難易度が高い試験に合格すればきっとよい将来が開けているのではないかという漠然とした気持ちで受験しているのではないかと考えられる. 私が本書で医学部進学を検討している受験生の方々やその御父兄に述べたいことは,医学部に進学するにあたっては他学部と違って事前に十分な情報が必要であるということなのである.中略 はっきり言おう!「成績が良いから医学部へ」という人は人生を誤るかもしれない.これからの医療人はその仕事が真に好きでなければ割が合わない時代となるだろう.医師になれば地位と経済が保証されるという幻想にとらわれている人はぜひこの本を読んでほしい.なるべく客観的なデータを数多くあげて,貴方の医学部「就職」の良き手引きとしたいと思う. 著者記す 《目次》 目次第一章 どうして医学部ブームがおこったか第二章 人気職業の移り変わりについて第三章 医師過剰時代の意味するもの第四章 医師に向く人?向かない人?第五章 医学部はお金がかかるか第六章 医師はほんとに高収入か第七章 医師優遇税制についての誤解第八章 医師の生活の実態第九章 医療過誤と訴訟について第十章 医師の応招義務について第十一章 学閥について第十二章 開業するということは第十三章 地域医療計画による開業規制について第十四章 専門医制度導入による影響は第十五章 学位(医学博士)取得の意味第十六章 他学部(卒)から転向したい人へ第十七章 目的別医大への進学について第十八章 これからの医療行政の動向第十九章 海外の医療と医師について第二十章 女性にとって医学部とは第二十一章 おわりに
内容説明
「成績が良いから医学部へ」という人は人生を誤るかもしれない。これからの医療人はその仕事が真に好きでなければ割りが合わない時代となるだろう。医師になれば地位と経済が保証されるという幻想にとらわれている人はぜひこの本を読んでほしい。客観的なデータを数多くあげて、貴方の医学部「就職」の良き手引きとなること間違いなしである。
目次
どうして医学部ブームがおこったのか
人気職業の移り変わりについて
医師過剰時代の意味するもの
医師に向く人?向かない人?
医学部はお金がかかるか
医師はほんとに高収入か
医師優遇税制についての誤解
医師の生活の実態
医療過誤と訴訟について
医師の応招義務について〔ほか〕
著者等紹介
早川豊[ハヤカワユタカ]
昭和30年生。昭和55年某国立医大卒。研修医を終えた後某科の専門医として臨床の現場にたずさわり現在に至る。医学教育と医療制度についての関心が深く著書多数。某科の専門医資格有。医学博士
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