内容説明
五四運動の興奮冷めやらぬ激動の20年代。ひとりの青年が四川から放浪の旅に発った。中国奥地の密林、そこは漢族の文化とは異なる少数民族の世界であり、旅商人、渡世人、盗賊、麻薬密売人などアウトサイダーの世界であった。青年はそこで恋をし、悩み、憤り、哀しみ、「生きる」ということの意味を知る。この旅が、青年をひとりの作家として成長させた。『丁玲入門』『蕭紅伝』の著者による、現代中国を代表する作家・艾蕪の評伝決定版。
目次
家郷の四川で
旅立ち
作品
昆明で
昆明脱出にむけて
昆明を離れる
森林のなかで
亜熱帯へ
ビルマへ
ラングーン
祖国へ―強制送還〔ほか〕