内容説明
孔子の末裔たちが私的に行っていた孔子祭祀が、国家の祭祀系統に組み込まれていく過程や、儒家の道統に対する価値基準の変遷などを分析することにより、儒教史・儒学史の変遷を映し出す。更に、他の宗教(キリスト教・仏教・イスラム教)との比較により、儒教の宗教としての特徴を導きだしている。
目次
第1章 権力と信仰―孔子廟祭祀制度の形成
第2章 学術と信仰―孔廟従祀制度と儒家の道統意識
第3章 宗教としての儒教―比較宗教の初歩的試み
第4章 聖賢と聖徒―儒教従祀制とキリスト教列聖制の比較
第5章 清末民初における儒教の「脱宗教化」
第6章 私の儒教研究回顧―儒教の聖域としての孔子廟
第7章 孔子廟の解体と再興―伝統文化の変容がもたらした苦境
著者等紹介
黄進興[コウシンコウ]
1950年、台湾生まれ。筆名呉詠慧。国立台湾大学歴史系学士・同大学修士、アメリカ・ハーバード大学歴史学博士(1983)。中央研究院歴史語言研究所副研究員・研究員・所長等を経て、現在、中央研究院副院長兼歴史語言研究所特聘研究員。中央研究院院士。専門は中国思想史・中国宗教文化史・史学理論。代表作としては『歴史主義与歴史理論』(1992)等があり、いずれも台湾繁体字版と中国簡体字版がある。また、英文の著作がイギリス・ケンブリッジ大学出版社から出版されている(1995)。英語・日本語・韓国語に翻訳された著作も多数
中純夫[ナカスミオ]
1958年、大阪府生まれ。京都大学文学部(中国哲学史)卒業、同大学院文学研究科(中国哲学史)修士課程修了、同博士後期課程学修退学。博士(文学)。富山大学教養部講師、同助教授、富山大学人文学部助教授、京都府立大学文学部助教授を経て、同教授。専門は中国近世思想史、朝鮮近世思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
-
- 和書
- 輪廻転生