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内容説明
自然現象を善政か失政かのバロメーターとし、権力者に対する圧力としても機能させた儒教。地震は仏や菩薩の神通力による「吉祥」であると説き、人びとをなぐさめる仏教。イスラームやキリスト教などの一神教が、災害を神の意思のあらわれとしていることで、信者は苦難を受け入れ、団結して復興に向かうことができた。近代朝鮮では日本の植民地支配を「天変地異」と見なし、琉球(沖縄)では、台風だけでなく軍隊なども海からの「来訪者」として受け止め、災厄を幸福へとかえる営みを続けてきた。歴史・宗教・地域研究者9名が、アジア各地で「天変地異」がどのように語られてきたかをひもとき、いま、自然災害にどう向き合うかを考えるきっかけを提供する。
目次
第1部 宗教と天変地異(失政が天変地異を招く―儒教;「大地震動」は吉祥―仏教;地震は神の徴か―イスラームの信仰と災害)
第2部 王権と天変地異(「日本」の誕生と疫病の発生;朝鮮における天変地異と予言―讖緯書『鄭鑑録』に描かれたユートピア;沸騰する南海北山―スルタンの出番か)
第3部 外来者と天変地異(“琉球‐沖縄”における海上からの「来訪者」と天変地異の「記憶」―ウルマ島とニライカナイをめぐって;植民地支配は天変地異に代わるものだったのか―近代朝鮮での王朝交替予言の変容;天変地異は天子の責任か?―康煕帝の地震観とヨーロッパの科学知識)
座談会 天変地異はどう語られてきたか?―天変地異の両義性
著者等紹介
串田久治[クシダヒサハル]
桃山学院大学/中国思想史・儒教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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