内容説明
台湾にとって1949年は厄災なのか栄光なのか。「1949」後の台湾の苦悩を知る世代の著者が、「1949」の中華民国政府の「南遷」をポジティブにとらえ、「1949」があったからこそ民主的な新しい台湾を作り出しえたとする。統一派からも本土派からも議論が沸き起こった話題の書。
目次
1 1949論(1949への礼賛;歴史の災難と文化の伝播 ほか)
2 1949と民国の学術(1949の大分裂と新たなる漢華人文知識の再編成;東アジアという視座における台湾の人文科学 ほか)
3 1949と両岸の儒学(台湾在住の儒家と台湾に渡来した儒家;両岸の三つの地域―新中国と新台湾 ほか)
4 1949と清華大学(なぜ清華なのか?;清華大学と民国ブーム ほか)
著者等紹介
楊儒賓[ヨウジュヒン]
1956年、台湾台中に生まれる。国立台湾大学中国文学系卒業、博士号取得。国立清華大学中国文学系教授。研究領域は、先秦哲学、宋明理学、東アジア儒学など
中嶋隆蔵[ナカジマリュウゾウ]
1942年宮城県栗原郡若柳町に生まれる。1970年東北大学大学院文学科博士課程単位取得退学、東北大学文学部教官となり、1983年文学博士号を授与され、1987年東北大学文学部中国哲学講座教授、2006年定年退官。後、武漢大学哲学系、国立清華大学中文系、輔仁大学外文系跨文化研究所などで客座教授を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
14
著者は台湾台中生まれで、国立清華大学中国文学系教授。台湾史上における「1949」は様々な文脈で語られるが、著者は漢民族の観点から着眼し、1949年の政治的難民や移民の潮流を漢民族の南移という論述構造に置き、大陸から来た人材と文化財の力は中華民国の体制を通して一つの巨大な動力となり、その後の台湾の歴史にポジティブな影響を与えたと論じている。◇長いスパンで見れば確かにそのような評価も出来るのだろう。当然異論・反論も引き起こしているようだ。◆やはり龍應台の『台湾海峡一九四九』は名作だと改めて思った。2019/02/14
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