内容説明
現代台湾社会における「族群(エスニック・グループ)」という概念は、「民主化」や「台湾化」にどのような影響を与えたのだろうか。「原住民族←→漢族」「外省人←→本省人」「〓(びん)南人←→客家人」などの関係性をわかりやすく論じた概説書。
目次
第1篇 族群とは何か(前言;「族群」・「族群アイデンティティー」とは何か)
第2篇 現代台湾社会の族群の想像―台湾の四大族群(「四大族群」内部の相違;台湾「族群の想像」の起源―「本省人」/「外省人」族群意識の形成過程;「原住民」と「漢人」の区分;本省人における「〓(びん)南」と「客家」
「外省人」族群分類イメージの台頭
対抗的な族群意識から「四大族群」へ
結論)
著者等紹介
王甫昌[オウホショウ]
台湾中央研究院社会学研究所研究員、副所長。米国・アリゾナ大学社会学博士。専門分野:族群関係、社会運動、ナショナリズム、エスニック・ポリティクス
松葉隼[マツバジュン]
一橋大学大学院社会学研究科修士課程
洪郁如[コウイクジョ]
一橋大学大学院社会学研究科教授。東京大学大学院総合文化研究科学術博士。専門分野:台湾近現代社会史、女性史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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samandabadra
1
台湾のEthnicityの状況がコンパクトにまとめられてある本。ここでいわれる族群の使い方には納得するのだが、はたして中国本土で使われ始めている族群には、民族解体の意味しか見えないように思う。これが台湾的な使用法として紹介できるし、それと対照して中国ではどう使っているかを書くための土台ともなろう2015/07/26
さとうしん
1
閩南人・外省人・客家人・原住民という台湾の四大族群がどのように形成されたのか……ではなく、四大族群という認識がどのように形成されたのかという話。こういうのを読むと、日本人である我々が台湾の植民地統治の功罪とか大陸の経済進出への反発といった話題に安易に踏み込むのが躊躇されるようになる。同時に原著者の政治的立場も少々気に掛かるが……2015/01/11