内容説明
東西文化交流の重要な中継地点であった敦煌には、東西南北各地からさまざまな材料が集まり、多様な調理方法が導入され、それにともなって、食事に対する考え方や礼儀作法も取り入れられていた。敦煌蔵経洞から発見された文献資料や敦煌の石窟壁画から、当時の敦煌の人びとが口にしていた食べ物の種類や名称、その調理法、食習慣、食べ方、飲酒習慣などを知る。
目次
1 百味の飲食―原材料の調達
2 百種の什器―食品の加工と食器
3 〓〓〓〓(ぶとはくたく)―奇妙な食物の名称
4 対座会食―敦煌の宴席
5 敦煌の人と酒
6 敬神供仏施捨鬼―飲食が敦煌の人びとの精神世界に与える影響
7 世俗と戒律の狭間で―僧尼の食事
8 建ち並ぶ飲食店―敦煌の飲食業
著者等紹介
高啓安[コウケイアン]
1957年生。蘭州商学院敦煌商業文化研究所所長・教授
高田時雄[タカタトキオ]
1949年生。京都大学人文科学研究所教授。敦煌学国際連絡委員会幹事長、中国敦煌吐魯番学会海外名誉理事
山本孝子[ヤマモトタカコ]
1981年生。日本学術振興会特別研究員PD(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ののまる
9
カラーだから考古資料が楽しいな。西は中国本土とだいぶん食文化の発達過程が違う。2020/09/28
小春
1
小麦の製粉、加工技術がずいぶん進んでいたんだなあ。揚げ物が多かったのも意外。2016/07/09
gokuu
1
敦煌の壁画や敦煌文書から読み解く食文化。ラクダのコブの煮物とか牛の丸焼き気になるw 筆者は敦煌学の専門家で、淡々と「分かっていること」だけを綴っているのでなんか読みやすい。フルカラーで図版多いし。こういうのを読むと、今の中国って、近代化で失ったものの方が多いんじゃないかという気がする2013/11/12