内容説明
巫風豊かな楚地に生まれ、秦漢帝国を媒介として各地に伝播し、解体していった中国古代の占卜(占い)文化。前半では『史記』に登場する「日者」(占い師)の世界観を探り、近年注目される占卜書「日書」の出土状況を概観する。さらに秦漢帝国における国家と占卜の結びつきや、尹湾簡牘に残された地方官吏の日記から読み取れる出張と占卜、睡虎地秦簡「日書」などにみられる行旅と占卜の関わりを、具体的な資料を紹介しつつ明らかにする。後半では、「卜筮祭祷簡」と呼ばれる民俗宗教文書の性格を通じて「日書」の淵源に迫るほか、秦漢時代の法律と占卜とを比較することにより、古代社会の統治における「法」と「習俗」の現実的な関係を検証する。
目次
第1章 長安東市の日者
第2章 「日書」の発見
第3章 国家と占卜
第4章 官吏の出張と占卜
第5章 行旅と占卜
第6章 「卜筮祭祷簡」と貞人・貞卜
第7章 「卜筮祭祷簡」から「日書」へ
第8章 法と習俗
著者等紹介
工藤元男[クドウモトオ]
1950年生まれ。1982年早稲田大学博士後期課程単位取得退学、博士(文学)。早稲田大学文学学術院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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