内容説明
旅行者も街角で目にする身近な看板の文字は、日中で異なる漢字文化を考える恰好のヒント。一方、辞書をじっくり読めば、中国ならではの個性的な用例のほか、語義・文体・音声・文字の記述の広がりにも出会う。入門・初級者にすぐに役立つ基本語に関する知識をはじめ、中・上級者がぜひ知っておきたい文法概念や工具書も紹介。コミュニケーションの道具としてだけでなく、知的な探求心を持ちながらことばを学ぶ楽しみを教えてくれる。研究・教育の場で長く中国語を見つめてきた著者ならではの観察眼が光る、好奇心いっぱい、軽快な中国語エッセイ。
目次
1 街の中国語から考える
2 中国語の記述をめぐって
3 中国語辞書あれこれ
4 中国語辞書の用例を読む
5 これからの中国語辞書
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ユウティ
6
もうちょっと単語を増やしてから読むことに致します。ピンインが振っていない漢字は読める前提…だよねたぶん。よし、フレーズ集を1冊頑張って覚えたら戻ってくるぞ〜。2022/06/01
GEO(ジオ)
6
長い時間をかけて、やっと読み終わった。前半は日本人から見たおかしな中国語に関する話。後半は辞書を巡る諸問題について書かれている。辞書は引けば引くほどよいと思われがちだが、中国文学の神様、吉川幸次郎氏などは引きすぎるのも考えものだと述べている。辞書とうまく付き合うのはなかなか難しいものかもしれない。2014/05/27
siomin
2
中国語研究者による,辞書と看板を中心とした中国語についてまとめられた一冊。いちおう大学では中国語選択だったが卒業後は錆びついていたので,よくわかるところとチンプンカンプンのところが混在していました。字体のところは,中国に揺れがあるようで,日本の漢字でも課題は一緒なんだなと思いました。「右」は日本と中国で標準的な書き順が違うとは驚いた。それから,中国語の研究者でも細かいニュアンスについてはネイティブの人に確認するそうで,語学を極める道のりは相当長くて険しいことが伝わりました。2021/11/02
Haruka Fukuhara
2
興味深い本だった。情報量が多く、もう少し勉強をしていたらもっと理解出来て楽しめたのだと思う。2017/02/05
pippi
2
中国語初級者にしたら、第一章の「街の中国語から考える」が一番面白く読めた。習っていても教科書が教えてくれる規範的な文章は現実の街中では役に立たないことが多いから、この現地の写真を使ったエッセイは楽しかった。あと語源について。「吃醋」がなぜ“嫉妬する”の意味になったのかなど、面白い例が並ぶ。後半は辞書について。ひとこと辞書といっても奥が深い。初心者には、輿水優ほか『中国語図解辞典』(大修館書店1992)に興味ひかれた。2014/04/19