出版社内容情報
伝統的経済圏から20世紀初頭に「半植民地」的に世界市場に組み込まれた中国華北東部や東三省の経済創造を、「満州」「北支」として占領される直前期まで丹念に読み解く。
内容説明
19世紀中葉まで中国経済の辺境に過ぎなかった華北東部や東三省は、20世紀初頭より棉花や大豆など特用農産物を積極的に輸出し、急成長を遂げるが、地域内の社会的分業が脆弱で輸出依存度が高かったため、日本帝国主義の侵略を招きやすかった。本書はこの地域を環渤海交易圏と名づけ、伝統的地域経済圏としての成立期から世界市場への再編期、更には「満洲」「北支」として占領される直前期までの市場構造の変化を、物流・金融の両面から検証する。
目次
第1章 清代の雑税と牙行
第2章 清代東銭考
第3章 清代の京銭と折銭納税
第4章 清代薊糧考
第5章 清代豫東漕糧考
第6章 清末民初奉天における大豆交易
第7章 清末東三省の幣制
第8章 清末民国期東三省における冀東商人
第9章 清末民国期直隷における棉業と金融
第10章 清末民国期の東部内蒙古における金融構造
著者等紹介
山本進[ヤマモトススム]
1959年滋賀県生まれ。1989年名古屋大学大学院文学研究科修了。現在、北九州市立大学外国語学部教授。博士(歴史学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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