内容説明
中国文学史上、唐詩、元曲と併称される宋詞。六朝以降、詞の評論が盛んになったように、「詞」に対する評論も宋代から盛んに行われるようになった。宋末元初に成った「詞論」の集大成ともいえる張炎の『詞源』の分析を通して、詞という表現様式の特徴を明らかにし、詞が盛んだった宋代、とくに南宋の文人たちの精神世界を映し出し、その後、詞がどのように受け継がれていったのかを考察する。
目次
序章 詞論の成立
第1章 『詞源』と『楽府指迷』
第2章 『詞源』の構成をめぐって
第3章 清空説の検討
第4章 詠物の文学
第5章 抒情の表現
第6章 姜〓(き)の楽論と南宋末の詞楽
第7章 『詞源』諸本について
第8章 文芸論にみる張炎詞論の受容
付論(李清照像の変遷―二度の結婚をめぐって;王昭君考―古典にみる漢族女性の形象)
著者等紹介
松尾肇子[マツオハツコ]
1988年奈良女子大学大学院人間文化研究科比較文化学専攻単位取得退学。1999年論文(文学)博士。愛知大学現代中国学部助教授を経て、東海学園大学人文学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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