内容説明
「中華‐夷狄」という枠組みの転換を迫られた中国の知識人たちは、国際社会のなかで「中国」をいかなる存在として捉え直したのか。思想・歴史・文学・地理・言語・政治などに関する彼らの多様な言説を材料として解明する。
目次
美学にとって「中国」とは何か―朱光潜の中国的モダニズム
反響しあう東と西―辜鴻銘による『中庸』の英訳
異物感覚と歴史―和辻哲郎と胡適の仏教研究
『地球韻言』について―清末の地理認識とその表現
近現代中国における考古学の命運―歴史をめぐる「伝統」と「近代」
梁啓超の「孔子」像とその意味
宋平子新字の位置づけをめぐって―江南知識人の日本趣味について
啓蒙知識人としての趙正平―南方への志向と辛亥革命の精神
中国近代における知の編制と諸権力―張君〓(まい)(1887‐1969)と国立自治学院を例として
著者等紹介
高柳信夫[タカヤナギノブオ]
1963年生。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、学習院大学外国語教育研究センター教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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