内容説明
中国にアニメーションの礎を築いた日本人がいた―。戦時下の日本で過酷な条件の下、漫画映画を製作、日中戦争後の中国東北地方で美術片製作の基礎を築き、帰国後は人形アニメーションの分野を開拓。日本と中国で、アニメーション発展に寄与し、多くの後進を育成した作家・持永只仁がその生涯を語る。
目次
第1章 おいたち
第2章 アニメーションの世界へ
第3章 満映へ、そして終戦
第4章 中国アニメーションの息吹き
第5章 帰国
第6章 新時代の中国アニメーション育成のために
持永只仁先生の思い出(川本喜八郎)
人形アニメの恩人―日本アニメ史の中で(おかだえみこ)
忘れがたい方明同志(盛特偉・張松林)
「東北電影製片廠」最初の日―持永只仁先生を忍ぶ(段孝萱)
著者等紹介
持永只仁[モチナガタダヒト]
1919年3月3日、東京市神田錦町生まれ。1936年4月、東京・日本美術学校図案応用科入学。1938年3月卒業後、東亜医科学研究所、東京女子美術工芸学校、東京宝塚劇場舞台課等で働く。1939年12月15日、芸術映画社入社(漫画映画班)。中国に渡り、以後、中国のアニメーション技術発展に力を注ぐ。1999年4月1日、死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
富士さん
0
日本と中国のアニメ草創期を自ら形作りながら間近で見て来た超大物の伝記です。なんだか最後の辺りがザックリしていて違和感を感じましたが、全体的にとても興味深いエピソードに溢れ、著者と貴重な記憶を共有していくようなワクワク感がありました。戦意高揚映画の作られ方、満映の有様、東北製片設立の経緯、帰ってからの再出発など、資料的にも重要ですが、著者の賢くしなやかなでどっしり構えた人柄のせいか、どんな話も希望を感じさせる安心感があります。最後に、この人のように生きれたらな、とあこがれのようなものを抱いてしましました。2013/04/04
kozawa
0
貴重な歴史の記録。これは興味深い。読んで良かった。2009/09/25