出版社内容情報
コーヒー飲用は是か非か?コーヒーとコーヒーハウスなるものが中世イスラーム社会に文化として定着してゆく過程の社会のゆらぎを、主としてイスラームの法学資料を使って描きだす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
人生ゴルディアス
5
エチオピアの羊飼いがコーヒーノキに触れただけで元気になって云々、という逸話はヨーロッパにしか見られず、どうやらガセネタらしい。また、コーヒーハウスをめぐる取り締まる側と擁護する側の論争も楽しい。同時に中東におけるアルコールとノンアルコールの間に存在する飲み物とその社会的あいまいさみたいな話なども。エジプトやアラビア半島中心。トルコは少なめ。本書内容とは別に、解説の人が絵に描いたような反西洋・現代文明。コーラとハンバーガーをあしざまに語る人久しぶりに見たし、そのけなし方に懐かしささえ覚える。最近見ない。2019/05/13
印度 洋一郎
4
アフリカから伝来した黒い飲み物コーヒーが、イスラム世界でいかに受容されていったかを色々な文献(特にイスラム法学関係)から辿る。当初は、神秘主義者スーフィー達が「ハイになって」信仰を高めるための飲み物だったのが、徐々に「目新しい飲み物」として広まっていく過程でその効能に賛否両論。当初問題視された「人体に有害」という根拠は結局薄弱で、それまでイスラム社会には希薄だった”外出して皆で集まって楽しむ”という、コーヒーの生み出した都市文化に秩序紊乱の臭いを嗅ぎ取った公権力の警戒が批判の肝だった、という。2018/12/10




