出版社内容情報
太陽黒点が経済変動をひき起こす!太陽黒点の変動周期とコンドラチェフ波(主要国卸売物価指数変動)を比較考察。太陽黒点が経済変動や政治変動に影響を及ぼすことを明らかにする。
内容説明
コンドラチェフ波規模の長期経済変動を見ていると、これらが経済内の内生要因だけで生ずるとは思われないのである。50年を超えるような長期波動は、もっと大きな影響力に左右されているのではないだろうかと思って久しい。このような問題意識は、経済と気候、気候と文明を身近な関係に思わせるものの、気候の基になる気温、気象を決めるものに想いが至ったとき、そのエネルギーの大半は太陽活動(太陽黒点数変化)たることに気付き愕然としてしまうのである。社会科学の枠組みをはるかに超え、さらに直接の関係を提示することがほとんど望めない関係だからに他ならない。そして学説史に照らし、W.S.ジェボンズの太陽黒点説を見直してみると、彼は中期循環を太陽黒点シュワーベ・サイクルとの関係で物理的に証明しようとした意図が強く伺えるが、「中期収穫循環」説の始祖である。筆者の意図自体も、国際経済学の枠に納まり切れない、地球環境経済学のような抽象性をもっており、その点を危惧しながらも、長期的観点で太陽黒点変動の中に、コンドラチェフ波に相当するような具体的長期循環周期が存在するものかと問い直してみたことになる。
目次
第1章 長期波動と問題提起
第2章 コンドラチェフ波について
第3章 太陽黒点長期変動
第4章 長期自然循環と太陽黒点変動
第5章 長期経済変動と太陽黒点変動
第6章 長期政治循環と太陽黒点変動
第7章 長期波動を超える変動
第8章 長期波動と国際分業
第9章(補遺1) 第4コンドラチェフ波と太陽黒点変動の波動比較
第10章(補遺2) 経済の長期波動における基礎構造