出版社内容情報
土地経済を中心とした封建体制は、対外的には十字軍、対内的には黒死病による農業人口の激減によって、崩壊していった。この崩壊劇を論証し、資本主義へと移り行く社会の姿を描く。
目次
第1篇 十字軍の歴史科学史的意義(前言―歴史の必然性と偶然性;十字軍前史―東洋と西洋との抗争的性格;十字軍に於ける宗教的感情と実利的感情;封建軍隊の実体;第4次十次軍;第4次十字軍をめぐるゾンバルトとブレンターノの論争;その後の十字軍活動;十字軍活動の歴史科学上に与えた影響;結語)
第2篇 黒死病の歴史科学史的意義(黒死病スケッチ;黒死病時代の農民の絶望と希望;黒死病をめぐる経済史上の諸問題;近世の黒死病エピソード)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Honey
5
十字軍と黒死病との関係の本かと勘違い。それぞれが、封建経済から近代資本主義経済社会へと移行していく際の影響についての論文読み。本文より、注釈での引用文献解説とかが充実?素人には知らない学者名続出でしたが、それなりに丁寧な解説で面白く読みました。2020/04/09
FFFT
4
十字軍・黒死病が中世のヨーロッパに与えた変化についての内容。中世欧州の封建制度・土地を中心とした経済世界は 黒死病による農業人口の減少、十字軍がもたらしたイスラム文化圏の技術や思想の伝播、貨幣の価値の高まりなどで近代的な資本主義社会の世界に変わっていった2013/03/12
水無月十六(ニール・フィレル)
1
ひとえに十字軍と言ってもいろいろな本を読まなければならないなと感じた。十字軍による外的要因と黒死病による内的要因から土地中心経済が崩壊。資本主義の芽がで始めたとする論。その他の文献にもあたって理解を深めたい。2015/11/17
陽香
0
19930520