出版社内容情報
中村将人[ナカムラマサト]
著・文・その他
内容説明
近代日本の複会計システムの黎明を検証する!近代会計生成期の日本の国有鉄道会計を通して、「複会計システム」と固定資産会計の展開について考察する。
目次
序章 日本鉄道会計史研究の視座
第1章 複会計システムと固定資産会計
第2章 国有鉄道会計と複会計システム
第3章 国有鉄道における固定資産会計―「補充費」・「改良費」を中心として
第4章 昭和初期における減価償却論争
結章 総括
補章1 「鉄道国有化」の会計
補章2 私有鉄道における複会計システムと固定資産会計
著者等紹介
中村将人[ナカムラマサト]
中京大学総合政策学部准教授。1987年3月北海道北見市に生まれる。2009年3月北海道大学経済学部経営学科卒業。2011年3月北海道大学大学院経済学研究科修士課程修了。2014年3月北海道大学大学院経済学研究科博士後期課程修了、博士(経営学)。4月北海道大学大学院経済学研究科助教。2015年4月中京大学総合政策学部専任講師。2018年4月より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゲオルギオ・ハーン
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戦前の国有鉄道の会計において減価償却がされず、補充費・改良費を計上して固定資産の資産維持が重視されたことについて研究した結果をまとめた一冊。なぜ敢えて減価償却を行わず、ややこしい処理をしたかについては益金実態を誤魔化すような計上処理をすることで国有鉄道に益金をプールする仕組みにしたのではないかと考察している。当然ながら意図的に補充・改良工事完了時期を操作して費用計上しないというのは不正な会計操作であり、資産が過大計上されるという欠陥もあって首脳陣ですら収益実態が掴みにくかったのではないかと推測される。2023/06/21