出版社内容情報
ヨーロッパにおける複式簿記誕生から、近代簿記、企業簿記への進展、さらに財務諸表の生成に至るまで、歴史を遡ることで、見えてくる現代会計のしくみや矛盾を、平易に解説する。
内容説明
中世ならびに近代に活躍した商人たちの生き様や会計事情を探る、800年にわたる悠久なる旅への誘い!歴史というフィルターを通して見える現代会計の抱える問題とは?
目次
複式簿記の誕生
複式簿記の完成
損益計算に対する二つの考え方
世界最初の簿記書『スンマ』(1494)
イタリアからオランダ、そしてイギリスへ
産業革命期のイギリスの簿記書
18‐19世紀イギリスにおける新たな潮流―複式簿記と単式簿記
簿記から会計へ
財務諸表の生成
キャッシュ・フロー計算書の登場
現代会計の落とし穴
彷徨する現代会計
著者等紹介
渡邉泉[ワタナベイズミ]
1943年神戸市に生まれる。1968年関西学院大学商学部卒業。1973年同大学大学院商学研究科博士課程単位取得。1974年大阪経済大学経営学部専任講師。1986年イギリスに1年間留学。1994年日本会計史学会賞受賞。1996年関西学院大学博士(商学)。1997年日本会計史学会会長(現在同学会理事)。2001年大阪経済大学学長。2013年大阪経済大学名誉教授、日本会計研究学会監事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Rootport Blindwatchmaker
1
同じ内容が繰り返ししつこく書かれており、非常に読みにくい。が、本書は著者が70代になった頃の作品である。知り合いのおじいちゃんと話すときのように、辛抱強く付き合って欲しい。長年の研究に裏打ちされた素晴らしい知識に触れられる。ソール『帳簿の世界史』の副読本に最適。あちらではよく分からなかった細かい部分が、具体的な事例たっぷりで解説されている。写真や図表が多いのも嬉しい。終章の最先端の会計理論に対する著者の懸念も、個人的には共感できるものだった。簿記史が好きなら必読の一冊。2018/10/21
Strega Rossa
1
歴史は趣味だとか、役に立たないなどと考えるのは素人。会計の技法は500年に渡って練り上げられてきたものだ。その500年の進化の歴史を追体験することで、今まで「なぜ」とも思わずに、単にルールだからと捉えてきたことが真に理解できるだろう。なぜ、貸借対照表の左側が資産で右側が負債と資本(純資産)なのか。分記法や総記法はどのように使われるのか。かつて現金主義は本当に使われたのか、など。本当は会計を勉強する前にきちんと会計の進化の過程を理解しておくと遠回りにみえて、実は修得が早いのではないかと思われる。2018/05/01
Yakmy
1
史実から見る会計。会計の根幹はどこにあるかを明確にし、現代に見られる投機家を重視した会計観を批判する。2016/08/25
オッティ
0
歴史が詳しかったらもう少し楽しめたのかな。 とにかく文章がまどろっこしすぎて全然読み進められなかった。 簿記、会計の興味がありそうなところだけ拾ってみたが、大学の授業の教科書みたいで読むのが苦痛だった。2019/10/13