出版社内容情報
「三学期が始まったばかりの昼休み、先生がぼくを職員室に呼んだ。先生は、ぼくのことをまっすぐ見ながら、こう言った。『あのな、びっくりせんと聞いてくれるかな? お母さんから電話があってな、お父さんがたおれたから、帰してくださいって』」
お父さんを亡くした小学5年生のユウ。まだだれからも、お父さんがどうして死んだか、教えてもらっていません。
「みんな、ぼくのことどう思ってるんやろ。『お父さんが死んでかわいそう』と、思われてるかもしれへん。かわいそうな顔したほうがいいんか、なんともない顔したほうがいいんか、わからんかった。笑ってたら『お父さん死んだのに笑ってるやん』と思われるんちゃうかな」
ある日、夜ごはんのあと、お母さんに聞かれます。
「ユウ、学校の相談室に行かへん?」
つぎの週、ユウが相談室に行ってみると……。
*
自死により父を亡くした〈ぼく〉の心の物語。深いかなしみに寄りそうグリーフケアの絵本。自死遺児だけでなく、その周囲の親、教師、カウンセラー、友だちにも読んでもらいたい1冊です。
【目次】
内容説明
自死により父を亡くした〈ぼく〉の心の物語。あなたの深いかなしみにグリーフケアの本。
著者等紹介
佐藤まどか[サトウマドカ]
1960年鹿児島県生まれ。特定非営利活動法人グリーフサポート・リヴ代表理事。社会福祉士・公認心理師・臨床発達心理士。児童養護施設・母子通園施設の勤務を経て、1992年に現法人の前身団体を立ち上げ、女性や子どもの支援活動を始める。幼少期に家族を自死で亡くした経験から、2001年より自死遺族支援を行う。現在は、スクールソーシャルワーカーとして、学校現場で子どもたちへの支援も行っている
森山花鈴[モリヤマカリン]
1981年茨城県生まれ。南山大学社会倫理研究所准教授。一般社団法人日本自殺予防学会常務理事。大学院在籍中から内閣府自殺対策推進室、国立精神・神経医療研究センター等で勤務し、博士号取得後、2015年より現職。「いのちの支援」研究プロジェクトや自死遺族のためのウェブラジオ「スーカフェ名古屋」の運営など、自殺の問題に取り組む
高橋和枝[タカハシカズエ]
1971年神奈川県生まれ。教育学部の美術科で日本画を学び、文具デザインの仕事を経て、書籍の挿画や絵本制作に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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