感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
（C17H26O4）
79
「そのためならば、わたくしのからだなどは、何べん引き裂かれてもかまいません」『銀河鉄道の夜』と同様、ほんとうのしあわせについて思いを巡らす。よだかがのろしのように空へ飛びあがった場面や、烏がマジエルの星のいるあたりの青空を仰いだ場面のなんと美しくてなんと哀しいこと。堀尾青史氏の解説がとてもよかった。「あまりに強いこの自己犠牲、死を賭けた願い、これが賢治の生涯と作品を悲しく彩っていて、われわれを暗くする。励まされていながら、それは賢治の命と引きかえになっているように思える。」2020/06/21
よこたん
55
“その時赤い光のひとでがたくさん出てきて叫びました。「さようなら、どうか空の王様によろしく。私どももいつか、許されますようおねがいいたします。」” 許す、許されないとはどういうことかと思いを馳せる。海の底で暮らすものが、手を伸ばしても願っても届かない世界を思う。黙って抱くうっすらとしたかなしみの理由を私は知らないけれど。「よだかの星」「双子の星」「烏の北斗七星」を収録。古く黄ばんだ本に、墨でさらさらと描いたような素朴な挿絵が不思議と温かい。自分自身を責め苛むような痛々しさを、いまだ受けとめきれないでいる。2020/09/04
かなもー
4
「よだかの星」が読みたかったので。他にも、「双子の星」「鳥の北斗七星」が収録されているモノクロ絵本です。文体の風景の描写の鮮やかさに感動しました。宮沢賢治作品に改めて感服。2014/04/07
白火
2
今度出るサンホラの新曲に「よだかの星」があるというので読み返したくなって再読。…好きだけど、寂しくなる話だなと。2014/08/23
茶の木
1
切なくて、綺麗すぎて、悲しい。 特に「よだかの星」が心に残りました…🌙2023/06/25
