出版社内容情報
「たびにでよう たびにでよう リュックをせおって あるいていこう」
そんなリズミカルな言葉から始まる、男の子と犬のふしぎな冒険物語です。
木になっているリンゴを食べたら耳が大きくなって、いろいろな音が聴こえてきたり……。木イチゴを食べたら鼻が長くなって、きれいな小鳥たちが止まりにきたり……。
ほとんどのページに文字がなく、奇想天外なできごとがアニメーションのように左から右へと描かれています。
「この絵本の中には、当時の私の気持ち……まだ見ぬ新しい世界への期待や不安、そして希望がこめられています。この本のページをめくりながら、主人公の男の子と黒犬と一緒に不思議な世界を旅してください。そして、みなさんがいつか「たびにでよう」って、広い世界への一歩を踏み出してくれたらうれしいです。」(著者あとがきより)
降矢ななさんが、今も暮らすスロヴァキアへ旅立った年にうまれた絵本。
1992年初版の『たびにでよう』の改訂新版。改訂新版よりあとがきを追加しています。
著者等紹介
降矢なな[フリヤナナ]
1961年東京に生まれる。スロヴァキア共和国のブラチスラヴァ美術大学でドゥシャン・カーライ教授に師事、石版画を学ぶ。スロヴァキア在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
92
読友さんのレビューに魅かれて、手に取りました。「たびにでよう たびにでよう リュックをせおって あるいていこう」男の子と犬のふしぎな冒険物語です。木になっているリンゴを食べたら耳が大きくなって、いろいろな音が聴こえてきたり。木イチゴを食べたら鼻が長くなって、きれいな小鳥たちがとまりにきたり。奇想天外な出来事がアニメーションのように左から右へと描かれています。家に帰ってきて、「おふろにはいって ねるまえに ちょっと みるくのもうか」ベッドにはいって「また たびにでようね」読んでいる私も旅に出たくなりました。2023/10/21
ままこ
78
パラパラとページをめくるたび、不思議でワクワクする冒険の旅は動き出す。まるでアニメーションを観ているみたいな躍動感。ハプニングがたびたび起こったけど、相棒の犬がいて良かったね。味のある犬の絵が好き。奇想天外で愉快な旅のおはなし。2023/11/24
とよぽん
53
降矢ななさんの原画展で4色分版の版画で描かれていることを知った。それぞれの色の原画も展示されていて、丁寧な作り方が一目でわかった。この作品は、文も降矢さんが書いているので、絵との絶妙な相乗効果を感じる。全体にユーモアと機知が散りばめられ、ラストはほっこり。また旅に出たい。2023/09/21
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
45
旅に出ようとリックを背負い出掛けた男の子と黒い犬。どんな旅になるかとなるかと思ったら・・・なんとも奇想天外な出来事ばかり。でも見てる側としたらワクワク感が止まらない。この世界観大好き。癒されました。2023/09/10
ヒラP@ehon.gohon
30
大正から昭和にかけて刊行された児童雑誌「コドモノクニを思い出しました。 素朴で飾り気のない主人公が、コマ送りアニメーションのように、旅を演じます。 そして主人公の少年は、夢と希望に満ち溢れています。 降矢ななさんが、スロバキアに留学された年に初版が出されたそうですから、主人公は降矢さんご自身でしょう。 それから30年が過ぎ、今ではスロバキアで暮らし、その地の方と結婚された降矢さんを重ね合わせて読むと、旅の途中も現在も想像できて味わいがさらに深まります。2023/09/26