出版社内容情報
残された孫ふたりだけで、おばあさんの通夜をするまでの心の動きをていねいに描く中国児童文学を絵本画家和歌山静子が絵本化。 SLA選定
著者等紹介
曹文軒[ツァオウェンシュエン]
1954年江蘇省塩城に生まれる。作家。北京大学中文系教授。中国作家協会会員。82年に発表した「弓」で、過酷な運命に立ち向かう強い少年像を創り出して注目され、新しい児童文学のリーダー的役割を担う。創作のほか、研究、評論活動にも力を注ぐ。作品多数。生まれ育った水郷地帯の貧しい農村を背景に、人間を、人生を描く
中由美子[ナカユミコ]
長崎市に生まれる。ふとしたことから中国語と出会い、近代の中国と日本の関係に関心をもち、中国児童文学と幸せな出会いをして現在に至る。日中児童文学美術交流センター理事
和歌山静子[ワカヤマシズコ]
1940年京都府に生まれる。日本児童出版美術家連盟会員。日中児童文学美術交流センター理事。主な作品に、『あいうえ王さま』(絵本にっぽん賞)など
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
17
幼いターヤとシャオヤを残し、親代わりのばあが死んでしまった。二人はよその家の通夜を思い出し、自分たちなりの通夜をやり遂げる。二人は寝ずにばあのことを語り合った。舞台は中国、土地の風習と共に、ただ悲しい別れを語っている絵本ではないと思います。2021/09/07
ヒラP@ehon.gohon
12
お通夜を題材にした絵本は、子どもには強すぎるのではないかと思いながら、読み終えたら、祖母の死を受け入れたターヤとシャオヤの健気さに感情移入していました。 祖母と二人だけの生活という設定には、両親不在の重さと、親のようにして自分たちを育ててくれたことへの感謝が盛り込まれています。 悲しみを受けとめるのはこれから。 おばあちゃんを送る最後の夜は、いろんな事を思い出して、亡骸と優しく寄り添うことでしょう。 通夜の夜が、見事にまとめられていて、安らぎさえ感じさせる絵本でした。2015/10/11
ねなにょ
12
表紙の絵から、お婆ちゃんと孫たちとの楽しいふれあいのお話だと思って借りてみたら、死をテーマにした絵本でした。「悲しいから、もう嫌…」と、途中で挫折。9歳の娘にはまだ、早すぎる内容だったよう。2015/10/02
どあら
11
図書館で借りて読了。亡くなったお婆さんのそばで二人の孫が、お通夜の夜を過ごします。切なくなりました( ´△`)2015/10/23
timeturner
6
表紙の怖い絵で敬遠していたけれど、これはもっと読まれないともったいないよ。喪失の悲しみ、後悔、そして受容と平安。子どもだけでなく大人にも身近な人の死をどうやって受けとめるべきかを教えてくれる。2015/11/08