一橋ビジネスレビュー 〈63巻3号(2015 WIN.〉 中国モデルの破壊と創造

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  • サイズ A4判/ページ数 165p/高さ 28cm
  • 商品コード 9784492820698
  • NDC分類 335.05
  • Cコード C3034

出版社内容情報

「中国ビジネスをどう見るか」を特集します。専門家による多角的な分析や議論を通じて中国経済およびビジネスの表と裏を捉えます。

特集「中国モデルの破壊と創造──彼らの『したたかさ』から何を学ぶべきか」
 今、世界が中国経済の動向に注目している。世界の工場、市場として君臨してきた中国経済が、減速の度合いを強めているからである。その行方を案じる見立てや論議も、多くの媒体で取り上げられている。公表される中国統計に対する疑念も、不透明感を増長させている。
 世界経済史上、これほど巨大な規模で工場と市場の性格を同時期に兼備した国はほとんどない。それだけに、各国企業の中国依存度は高く、中国経済がくしゃみをすれば、日本企業のみならず、世界各地の無数の企業が風邪をひきかねない。脆くも吹き飛ばされる企業が出てくるかもしれない。先行きを憂い、中国撤退論も囁かれる今日である。
 とはいえ、人口では、2100年に6000万人に減少すると見込まれる日本に比べ、中国は10億人の大台を保つと予測される。事業展開の難易度は増すかもしれないが、豊富な事業機会を感じさせるだけの魅力は保ち続けるであろう。であるならば、われわれは、短期的な景気変動に一喜一憂することなく、大局的な見地に立って、中国経済およびビジネスに関する知見と洞察を地道に蓄えていく必要がある。
 こうした観点から、今回の特集「中国モデルの破壊と創造」では、第一線の論者を招き、多様な角度、分析レベルで中国経済とビジネスを眺め、刺激的な知見に満ちた最新論文をご寄稿いただいた 。どの論文も、さまざまな経済誌で入り乱れる表層的な楽観論や悲観論とは別次元の透徹した眼で、物事の深層を見つめている。
 特集編者は、西口敏宏・一橋大学イノベーション研究センター教授および藤原雅俊・一橋大学大学院商学研究科准教授。主な執筆者は、田中修(日中産学官交流機構特別研究員)、青島矢一(一橋大学イノベーション研究センタ教授)、江鴻(中国社会科学院工業経済研究所助理研究員)、徐航明(日系大手電機メーカー勤務)。
 ビジネスケースは、「良品計画」と東京大学発ベンチャーである「モルフォ」を取り上げる。インタビューコーナーには、丹羽宇一郎・元駐中国大使が登場。

[特集論文?T]田中修「中国マクロ経済の光と影」
[特集論文?U]西口敏宏・辻田素子「中国資本主義の牽引役、温州モデルは脱皮できるか」
[特集論文?V]青島矢一・王文「社会ネットワークを介した希少資源の効率的多重活用」
[特集論文?W]江嶋・劉湘麗・黄陽華・賀俊「アリババ プラットフォーム帝国への道」
[特集論文V]徐航明「中国企業の成長とリバース・イノベーション2.0」
[特集論文?Y]藤原雅俊「得意技の抽象化と現場翻訳」

[技術経営のリーダーたち 第24回]小川理子 パナソニック株式会社 役員
[ビジネス・ケース]西野和美「良品計画」/小阪玄次郎ほか「モルフォ」
[連載]無印良品の経営学 第3回 西川英彦「無印良品の再生」

[マネジメント・フォーラム]「経済合理性を旗頭にして 14億人の巨大市場に 果敢にチャレンジせよ」
  [ゲスト]丹羽宇一郎 日中友好協会 会長/元・駐中国大使

[私のこの一冊]川本裕子「職業人生の原点に戻っていける」/服部泰宏「私たちは、『科学知』とどう向き合うか

【著者紹介】
一橋大学イノベーション研究センター(ヒトツバシダイガクイノベーションケンキュウセンター)