出版社内容情報
複雑化・多様化し我々を脅かす存在となったリスクの本質は何か。保険はどう対応できるのか。現代では不可欠となった保険の本質に迫る
本書は、現代社会における主要なリスクである、交通事故リスク、地震リスク、信用リスク、環境リスク、賠償責任リスク、医療リスク、介護リスクなどをとりあげて、それぞれのリスク対応策としての保険制度の存在意義と課題を考察するものである。
近代的保険はその発達に伴って、社会に存在するリスクの社会化をもたらしてきた。リスクと保険の関連性を論ずるにあたって、補償の二階建て論、官民関係論、市場原理との整合性、賠償責任ルールの設定などのテーマを設定し、それを中心に議論を展開することで保険政策の現代的課題にもつなげていくことにする。これらのテーマはいずれも保険学の主要課題であり、現行の保険制度とからめながら論ずることで、具体的かつ現実的な問題に対する政策提言も試みる。こうした議論を通じて、多様かつ複雑なリスクにさらされている現代社会において、保険がいかなる発展方向を示しているかを考察し、改めて保険の本質に迫るものである。
<主要目次>
第1章 現代リスクと保険の社会化
第2章 環境リスクと保険理論
第3章 地震リスクと保険理論
第4章 自動車リスクと保険理論
第5章 信用リスクと保険理論
第6章 賠償責任リスクと保険理論
第7章 医療リスクと保険理論
第8章 介護リスクと保険理論
第9章 巨大災害・巨大リスクと保険理論
第10章 保険セーフティネットと保険理論
【著者紹介】
堀田 一吉(ホッタ カズヨシ)
慶應義塾大学商学部教授
1960年島根県松江市生まれ。1984年慶應義塾大学経済学部卒業、1989年慶應義塾大学大学院商学研究科博士課程単位取得後、慶應義塾大学商学部助手、助教授を経て、2002年慶應義塾大学商学部教授、現在に至る。
主な著書として、『保険理論と保険政策―原理と機能』(東洋経済新報社、2003年); 『民間医療保険の戦略と課題』(編著、勁草書房、2006年);『保険進化と保険事業』 (共編著、慶應義塾大学出版会、2006年)、『保険学』(共編著、有斐閣、2011年)など。
内容説明
われわれの生活を脅かすさまざまなリスクに保険はどのように対応すべきか。保険理論を通じて現代リスクの本質に迫る。
目次
第1章 現代リスクと保険の社会化
第2章 環境リスクと保険理論―保険的対応の意義と可能性
第3章 地震リスクと保険理論―地震保険の諸問題と官民役割論
第4章 自動車リスクと保険理論―メリット料率と保険原理
第5章 信用リスクと保険理論―中小企業信用補完制度と保険
第6章 賠償責任リスクと保険理論―賠償責任ルールの選択と責任保険の関係
第7章 医療リスクと保険理論―医療保障における民間医療保険の役割
第8章 介護リスクと保険理論―介護サービスと市場原理
第9章 巨大災害・巨大リスクと保険理論―巨大災害補償と保険機能
第10章 保険セーフティネットと保険理論―保険政策の転換とシステムリスク
著者等紹介
堀田一吉[ホッタカズヨシ]
慶應義塾大学商学部教授。1960年島根県松江市生まれ。1984年慶應義塾大学経済学部卒業、1989年慶應義塾大学大学院商学研究科博士課程単位取得後、慶應義塾大学商学部助手、助教授を経て、2002年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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