出版社内容情報
公的年金制度が家計の視点から見てどのような問題を抱えているかを、オリジナル調査による実証分析を駆使して分かりやすく紹介したうえで検討したタイムリーな好書。
内容説明
公的年金改革の議論は、年金審議会をはじめとしてマクロの視点、財政均衡の視点から行われることが多く、家計に与える実証的研究という点において不充分である。そこで著者らは、これまでの年金制度改革の経緯を踏まえたうえで、家計の視点からみて不足している議論や現在抱える問題を浮き彫りにして、今回の改革案によって改善される点、依然として解決しない点を整理する。さらに、われわれが独自に行った社会保障への評価や金融資産選択・貯蓄行動に関するアンケート調査の個票をもとに、年金と家計行動の関わりを実証的に分析し、生活者の実感をともなった公的年金のあるべき姿を論ずる。
目次
第1部 年金制度の変遷と理論(年金改革の経緯―財政方式をめぐって;年金改革を取り巻く日本経済の状況;公的年金の経済理論 ほか)
第2部 公的年金の家計への影響(生活不安と予備的貯蓄動機の分析;公的年金が家計の貯蓄・消費行動に与える影響;公的年金が就業・引退行動に与える影響 ほか)
第3部 99年年金改革の評価(99年年金改革の評価;インプリケーションとまとめ―家計にとって望ましい公的年金改革)
著者等紹介
駒村康平[コマムラコウヘイ]
1964年生まれ、1995年慶応義塾大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。国立社会保障・人口問題研究所研究員(社会保障研究所)、日本大学文理学部及びお茶の水大学非常勤講師、駿河台大学経済学部助教授を経て、2000年4月より、東洋大学経済学部助教授。専門は社会保障論、家族の経済学。主な著書に、日本経済政策学会編『日本の社会経済システム』(有斐閣、1995年(日本経済政策学会30周年記念優秀論文賞受賞))、塩野谷祐一・藤田至孝編『企業内福祉と社会保障』(東京大学出版会、1998年)、塩野谷祐一・丸尾直美編『先進諸国の社会保障スウェーデン』(東京大学出版会、1999年)など
浦田房良[ウラタフサナガ]
1967年生まれ。1992年、東京大学文学部卒業。同年、第一生命保険相互会社入社。湘南支社、市場金融部、第一生命経済研究所を経て、現在広報部に勤務
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