出版社内容情報
企業金融・国際金融の権威である著者による、国際金融危機の再発を防止し、新たな金融システムを設計するための指針の提示。
目次
第1章 新興市場危機と政策対応
第2章 経済学者の観点
第3章 議論の概要および主要点
第4章 閉鎖経済における流動性およびリスク管理
第5章 市場の失敗の識別―債務国は一般の借り手と同じか
第6章 重複代理人および共通代理人設定から導かれる含意
第7章 国際金融制度への含意―IMFの役割とは何か
第8章 結論
著者等紹介
ティロール,ジャン[ティロール,ジャン][Tirole,Jean]
1953年フランス生まれ。1981年にMITで経済学博士号を取得後、1984年よりMIT准教授、教授を経て、現在トゥールーズ第一大学産業経済研究所学術担当所長、ラフォン基金・トゥールーズ経済学院理事長。専門論文は150本を超え、現在最も生産的で質の高い論文を書く経済学者の一人である。1998年にはエコノメトリック・ソサエティ会長、2001年にはヨーロッパ経済学会会長などを歴任している
北村行伸[キタムラユキノブ]
1956年生まれ。1981年慶應義塾大学経済学部卒業。1988年オックスフォード大学大学院修了(Ph.D.)。一橋大学経済研究所教授
谷本和代[タニモトカズヨ]
1972年生まれ。1994年上智大学外国語学部卒業、同年日本銀行入行。2000年同行を退職し、現在、フリー翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
河童
5
私の知見が足りないからか、読み込みが足らないか、その両方か。この本では借り手側のモラルハザードのみが語られて、貸し手側のそれについての追及がないように思います。1997年に始まったアジア通貨危機が、一国の外貨準備をはるかにしのぐヘッジファンドの通貨攻勢が原因だとすると、そのモラルについてはどう考えるのでしょう。IMFのガバナンスについてはその通りと思いました。2017/05/09
jj
4
2007年刊。14年ノーベル経済学賞受賞ティロール。2000年伊国中央銀行の講義に基づく内容からの著作。アジア通貨基金を代表とする新興市場危機における政府対応とIMFの役割とその限界。lMFの任務、ガバナンスについて言及し、IMFは今以上の政治的な説明責任を負う必要はないという。またIMFの国際的な最後の貸し手機能について、否定的とはいえ考察されているところが印象的。2020/02/05
os
1
ノーベル賞受賞ということでとりあえず貸出のあった本を読んでみたが、何やら難しい。訳者あとがきでなんとなく掴めたような印象。間を置いてまた読むことにする2014/10/19