出版社内容情報
金融技術の世界基準はヘッジファンド・テクノロジー。ヘッジファンドのビヘイビアから最先端のオルタナティブ投資まで、実務と理論をわかりやすく解説。
内容説明
本書は、基本的にはデリバティブの知識を前提としてはいないが、金融・証券市場について日頃から強い関心を持っている人々を読者として想定している。ヘッジファンドに関する書物は次々と出版されるが、ノウハウや投資戦略など肝心の部分について明確な説明をしたものはなく、飽き足らない思いをしている読者は多いであろう。本書の中には、類書にはまったく見あたらない内容が多く含まれており、とくに資産運用ビジネスの関係者、金融機関のディーラー、一般企業の財務担当者などには、おおいに興味を持って読んでいただけるものである。
目次
第1章 ヘッジファンド入門:リスクとリターンのメカニズム(ヘッジファンドと成功報酬;ヘッジファンドとレバレッジ ほか)
第2章 ヘッジファンド危機と次世代オルターナティブ投資(トラックレコードの陥穽;物まね猫(コピーキャット)の出現 ほか)
第3章 実戦的派生商品技術の変遷と今後の展望(派生商品技術の黎明期(1980年代後半)
派生商品技術の発展期(90年代前半) ほか)
第4章 最先端デリバティブ・テクノロジー(最小二乗モンテカルロ法;次世代リスク管理モデル:ジャンプ・ディフュージョン・モデル)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
朝ですよね
3
2000年発行。1998年のロシア金融危機でLTCMが破綻した。彼らが使用していた債券の裁定取引がどのようなものかを解説するとともに、過大なポジションを持ってしまうファンドやコピーキャット戦略で一方向に歪む市場といった要因を挙げ金融危機の要因を考察する。単なる正規分布のモデルでは無視されてしまう稀なリスクを見積もる手法としてジャンプディフュージョンモデルを挙げる。これでリーマンショックを回避できた人もいるのだろうか。2023/01/02
0
元ソロモンでシンプレクス創業時?の面々(取締役)2名の著書。執筆時間をどう捻出したかが一番気になる。2000年発行でまだバブルとアジア通貨危機、LTCMの破綻の頃。バブルに乗った日本企業、デリバティブに乗り遅れた邦銀と当局への不信感が伝わってくる。微妙にゴールドマンに厳しい。最小二乗モンテカルロのFrancis A.L.さんがシンプレクス取締役だったのは初耳。コピーキャットがインデックスで問題にならないのは長期だからか。相対価値は市場を疑い自分を信じることと思う、難しい。なお帯は「ショールズ博士推薦!」2023/05/13