出版社内容情報
経営は「管理」にあらず。人と人が情報を交換・共有し、心理的な刺激を与え合う「場」をつくり、生かすことである。
内容説明
組織はシステムだけでは動かない。現場のプロセスから生まれる秩序が組織を動かすエネルギーになる。目に見える構造(システム)から目に見えないプロセスへ―そのミッシングリンクを埋めるのが、場の概念と論理である。『人本主義企業』『経営戦略の論理(第3版)』の著者が描く、正しい「日本的経営」のための指針。
目次
第1部 場の論理とメカニズム(場の論理;経営組織の中の場;場のメカニズム)
第2部 場のマネジメント(場のマネジメントとは―全体像と基礎条件;場の生成のマネジメント―場を設定し、創発させる;場のかじ取りのマネジメント―場を生かし、場を動かす ほか)
第3部 場のパラダイム(マネジメントのパラダイム転換―ヒエラルキーから場へ;場の中のマネジャー―四つの顔;経営を超えて、ダイコトミーを超えて)
著者等紹介
伊丹敬之[イタミヒロユキ]
1945年生まれ。一橋大学商学部卒業。カーネギー・メロン大学経営大学院博士課程修了(博士)。一橋大学大学院商学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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コジターレ
8
精神科臨床の現場にいる頃、「場の力」という言葉を好んで使っていた。産業臨床でも確かに「場の力」は存在する。でも、「場」とは何なのか、「場をマネジメントする」とはどういうことなのかを深く考えることなく過ごしてきた。本書は、それらの問いに真摯に答えてくれる。「場」という視角も含めて、企業へのアプローチを考えていけそうだ。やや冗長で、独特の言い回しに抵抗があるが、全体的には良書。2017/04/10
スターライト
5
個人ではなく、人と人の間の「場」に着目し、日本発のマネジメント理論としてまとめた書。その概念やそれをいかした企業の事例、マネジメントのあり方などを具体的かつわかりやすく述べている。著者独自の造語や言い回しにひっかからないではないが、アメリカに代表される構造的・役割固定的な理論に整然と対置するこの考えは、しなやかで強靭だ。ヒエラリカルな企業・職場を変えたい人はぜひ。2013/02/24
ちきゅう
4
組織論の中でも人の共通の価値観の醸成やつながりなどをヨコのつながりから捉えたもの。「場」の重要性、作り方、マネジメントの仕方など、複層的に分析されている。「場」が機能することで、エンパワーメントやイノベーションにも近いことが生まれてくるのだと感じた。従来の日本的経営が持つ特徴とし、その良さとなぜ腐敗たのかの理由も語られる。「プロセス上手の構造好き」であらねばと思う。2022/06/03
suzuki s
3
オーディオ マネジメントとして場を作るという方法がある。 人が接する場の作成や、方向性をもたせる工夫で組織を動かすという視点2021/06/13
Sanchai
3
第1部を読み切るのに疲れ切ってしまい、その後は飛ばし読みした。言われていることは職場で日頃感じていることの延長なので感覚としてはわかるが、こうして理論的に書かれると、そんなたいそうなことかなと思えてしまう僕は天邪鬼か?いずれにせよ、学術書に近いので、図書館で借りて読むよりも、手元に置いてマーカーを引いて活用したい文献。2013/12/25
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- 和書
- 風の家 文春文庫