新しい階級闘争―大都市エリートから民主主義を守る

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新しい階級闘争―大都市エリートから民主主義を守る

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  • サイズ 46判/ページ数 294p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784492444719
  • NDC分類 361.8
  • Cコード C3033

出版社内容情報

フィナンシャル・タイムズ、タイムズなど欧米メディアで絶賛!イブニング・スタンダード紙のブックオブザイヤー受賞。「資本家」対「労働者」から「大都市エリート」対「土着の国民」へ。左右ではなく「上下」対立の時代を読み解くバイブル!ポピュリズムは病原ではなく症状だ。民主主義を滅ぼす病原は新自由主義にある
【欧米メディア&識者が絶賛】
◎これまでで最も優れたポピュリズム分析の書(「イブニング・スタンダード」紙)
◎力作だ。欧米の政治が簡潔ながらも繊細に分析されている。ポピュリズムは、大学を出ていない労働者たちから経済的交渉力、政治的影響力、文化的威厳を奪ってきたテクノクラート新自由主義に対する反動だとリンドは主張する(デイヴィッド・グッドハート、『The Road to Somewhere』著者)
【中野剛志氏】
ポピュリズムの原因は、新自由主義的な政策によって労働者階級を抑圧し、政治・経済・文化のいずれの領域においても労働者階級を疎外してきたエスタブリッシュメントの側にある。ポピュリズムは確かに健全ではないが、それは、エスタブリッシュメントの新自由主義的な支配という疾患に現れた症状に過ぎないのである。私は、リンドの思想に全面的に賛成である(巻頭解説より)
【施光恒氏】
本書は、戦後実現した「民主的多元主義」の安定した政治が、1970年代に始まった新自由主義に基づく「上からの革命」の影響を受けた結果、機能不全に陥り、米国の国民統合が現在までにいかに脅かされ、分断が進んだか、またどのように分断の解消を図っていくべきかについて考察したものである。民主的多元主義の再生を可能ならしめるために、現行の新自由主義に基づくグローバル化推進路線の転換が必要だと本書は論じる。新自由主義的な改革に明け暮れてきた欧米諸国や日本に新しい視点を与え、自由民主主義の意味や条件を考えさせる貴重な一冊だ(監訳者解説より)
【概要】
グローバル化の問題点は「新しい階級闘争」を生み出した。新自由主義改革のもたらした経済格差の拡大、政治的な国民の分断、ポリティカル・コレクトネスやキャンセルカルチャーの暴走である。各国でグローバル企業や投資家(オーバークラス)と庶民層の間で政治的影響力の差が生じてしまったことがその要因だ。著者は現代の「新しい階級闘争」の解決を考えるために、マルクスが問題にしたような資本家対労働者の「古い階級闘争」がどのように解決・穏健化に向かったかを探り、戦争が中間団体の調整の政治「民主的多元主義」を各国が編み出し、階級を越える国民の妥協と結束をもたらしたと指摘。戦後の欧米の福祉国家はすべて戦争の名残だ。しかし1970年代頃から「オーバークラス」が「上からの反革命」を起こして、庶民を裏切るに至ったと分析する。「新しい階級闘争」の解決のためには、同様に中間団体の再生やその間の調整の政治の復権、「民主的多元主義」が必要だと説く。そのためにはグローバル化に一定の歯止めをかけるしかなく、無理ならば自由民主主義も滅びることになると論じる

内容説明

「資本家」対「労働者」から「大都市エリート」対「土着の国民」へ。「左右」ではなく、「上下」対立の時代を読み解くバイブル!『イブニング・スタンダード』紙のブック・オブ・ザ・イヤー受賞。

目次

第1章 新しい階級闘争
第2章 ハブとハートランド―新しい階級闘争の戦場
第3章 世界大戦とニューディール
第4章 上からのネオリベラル革命
第5章 ポピュリスト―下からの反革命
第6章 ロシアの操り人形とナチス―ポピュリスト有権者を悪者扱いする管理者エリートの手口
第7章 労働者のいない楽園―姑息な新自由主義的改革
第8章 拮抗力―新しい民主的多元主義に向けて
第9章 民主的多元主義にとって安全な世界を

著者等紹介

リンド,マイケル[リンド,マイケル] [Lind,Michael]
テキサス大学オースティン校リンドン・B・ジョンソン公共政策大学院教授。ワシントンDCにあるシンクタンク「ニュー・アメリカ」の共同設立者でフェロー。ニューヨーカー誌、ハーパーズ・マガジン誌、ニュー・リパブリック誌の編集者、スタッフライターを歴任。ニューヨーク・タイムズ紙、フィナンシャル・タイムズ紙、ポリティコ、フォーリン・ポリシー誌、インターナショナル・エコノミー誌などに寄稿。ノンフィクション、フィクション、詩など、多くの著作がある

中野剛志[ナカノタケシ]
評論家。1971年、神奈川県生まれ。元・京都大学大学院工学研究科准教授。専門は政治経済思想。1996年、東京大学教養学部(国際関係論)卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に入省。2000年よりエディンバラ大学大学院に留学し、政治思想を専攻。2001年に同大学院より優等修士号、2005年に博士号を取得。2003年、論文“Theorising Economic Nationalism”(Nations and Nationalism)でNations and Nationalism Prizeを受賞。著書に山本七平賞奨励賞を受賞した『日本思想史新論』(ちくま新書)などがある

施光恒[セテルヒサ]
政治学者、九州大学大学院比較社会文化研究院教授。専門は政治哲学、政治理論。1971年、福岡県生まれ。英国シェフィールド大学大学院政治学研究科哲学修士(M.Phil.)課程修了。優等修士号取得。慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程修了。博士(法学)

寺下滝郎[テラシタタキロウ]
翻訳家。1965年広島県呉市生まれ。学習院大学法学部政治学科卒業。東洋英和女学院大学大学院社会科学研究科修了。主に外交評論、人文・社会科学系の学術論文などの英日・日英訳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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パトラッシュ

107
欧米で猛威を振るうポピュリズムを「地方を動かない低学歴の小規模農工商業労働者が、学歴と収入の高い大都市エリート層に対して起こした反乱」と捉える。グローバル化で隠されてきた階級格差を知った大衆が、権力と配当をよこせと要求したのだ。そこに大量移民とSNSによる陰謀論拡大が重なり、レトリックの巧みな権威主義的煽動政治家に格好の舞台を提供したわけだ。しかし著者は官僚制に反発するポピュリズム政治は失敗すると断言し、大衆の利益を拡大する民主主義の再構築を説く。方向的には正しいが、現状の対立を解消する具体策はあるのか。2023/04/20

Sam

48
必ずしも読み易い本ではないが著者の主張の骨子と全体構成を意識して読めばすっと読める。というか、とても興味深い論考だと思う。著者は現代の欧米の社会はもはや「右対左」ではなく「上対下」という階級闘争として見るべきだという。つまり70年代以降の欧米社会は上=大都市のエリートによる「テクノクラート新自由主義」に占拠されている一方、それに対しては下=民衆の怒りに基づくポピュリズムが跋扈しているとする。以前の「民主的多元主義」に戻るべきという主張に説得力はあるが、それをどう実現すべきかという点がやや弱いように思った。2023/04/04

よしたけ

46
著者は欧米諸国で新階級闘争が生じていると考察。1970年代からエリート主導革命が生じ、グローバル化推進策が普及。 ここから利益を得るエリート層と殆ど恩恵無い庶民層の対立が新階級闘争で、経済、政治、文化に及ぶ。不公正な社会に庶民が反発しポピュリスト反革命が発生、トランプ大統領誕生や英国EU離脱。エリート層は真剣に向き合わず不適合者による非合理な運動だとし、 再分配・反独占政策といった対症療法をとる。著者は、庶民層見解を代弁する拮抗力が必要と論じ、労働組合等の中間団体再生と新民主的多元主義の創出を訴える。2023/09/29

hide

17
新自由主義の普及によって、社会の対立軸は従来の右派vs.左派から、インサイダー(大都市エリート、テクノクラート)vs.アウトサイダー(地方、旧産業)に変わったというのが本書の主張。/各国でポピュリズムが台頭した理由をアウトサイダーの抵抗運動である(つまり分断の原因ではなく結果)とし、彼らはその性質上統治力を持たないため概ね失敗すると指摘する点が非常に説得的だった。/新自由主義を悪魔化しすぎなきらいもあるが、現代の社会問題を考える上で極めて有効な視点を与えてくれる一冊。2022/12/26

msykst

16
20世紀半ばまで成立していた「民主的多元主義」においては、主に組合を通じた労働者の組織化と交渉が機能していた。しかし現在の「テクノクラート新自由主義」では、こうした労働者の拮抗力は完全に解体させられた。現在の体制での上流階級は高学歴エリートからなる管理者(経営者)や専門技術者たちであり、彼らはグローバルな生産構造の中で労働力のアービトラージを進める。それは「土着の国民」と移民との間に対立を生むのであり、そもそも弱体化させられていた労働運動はますます機能せず、排斥運動に典型的なポピュリズムにとって代られる。2024/10/21

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