出版社内容情報
世界経済におけるパワー構造(安全保障、生産、金融、情報等)を最新のモデルを用いて分析。ジャーナリスティックなセンスで書かれた、国際関係論の基本テキスト。
内容説明
現代の国際政治経済のダイナミズムを理解するためには、政治と経済とを別々にとらえるのではなく、両者を整合的なフレームワークで分析する必要がある。本書では、この権力(国家)と市場(経済)の相関関係を、4つの基本的価値観―安全保障、富、自由、公正―によって決定される「構造的権力」という視点から説明している。グローバル化時代の国際学の新しい入門テキストブック
目次
第1章 国際政治経済学の研究方法
第2部 世界経済における権力の構造
第3部 二次的権力構造
第4部 自分自身の答えを見いだしたまえ、さもなければお好きなように
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てれまこし
4
IPE教科書としては異色の存在で、既存の知識を伝えやすくしてまとめたというよりは、問題提起の書。真似して覚えたい人ではなく自分で考えたい人への手掛りを与ようとするもの。その分、門外漢には複雑すぎて、ここから何が言えるのかにわかにいえない。その背景には米国流のIPEに対する批判があり、米国の覇権の衰退を云々する風潮に疑問を投げかける。トランプ政権の「米国第一」はこの衰退を米国人自身が認めたことを前提とするが、本当にそうであるのか。米国の力は依然圧倒的であり、衰退はその力を濫用する口実という側面もあるかも。2018/09/07