感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アルゴス
3
アジアにおける貧困と生産性の低さが悪循環をなしていることに注目し、そのさまざまな原因を考察した書物。現代のアジアの状況とはかなり異なるが、アジアの諸国の多くでまだ貧困の問題が解消されていないのもたしかである。コミュニティ「古典を読もう」のために読んでいる一冊。2018/01/17
日暮里の首領様
2
70年代に開発経済学の碩学によって書かれた本。当時のインドにおけるフェビアン社会主義の壮大な実験に代表される、南アジアにおける脱貧困・国家建設を批判的に検討する。人口過多と農業部門の非生産性構造のために、南アジアの産業化が軌道に乗らないこと。そしてそんな経済・社会の後進性故に、国家が「急いで無理に」経済・国民の近代化を目指すプロジェクトを「計画化」と捉え、その急進性故に生ずる伝統社会との軋轢、権威主義化、腐敗などを検討していく。途上国分析における社会科学のエッセンスが詰まっていて、満足。2012/12/20
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- 和書
- 本を読んでる金曜日