出版社内容情報
幕末は博徒ネットワークを構築、維新後は路地裏のベンチャーに変身。恐慌と政乱の現代に重ね合わせ、東海道一の大親分、清水の次郎長の知られざる生涯を描く。
内容説明
大動乱に生きる侠客・次郎長の知恵。幕末経済史を路地裏から書く。次郎長は、窮乏をきわめた幕末に生まれ、サービス産業が勃興しつつあった東海道に育った。山田長政にあこがれ、龍馬に似た心境から無宿人になった。類まれなる調整能力で侠客マーケットのスタンダード形成者となった。思想がある奴は嫌われるという土地柄の中で、いち早く国民意識にめざめ、明治維新後は、開墾事業や港湾整備、石油採掘、はては英語塾までさまざまな事業に取り組み、渋沢栄一とは好対照の「路地裏」のベンチャーとなった。
目次
第1章 幕末経済の破綻と東海道
第2章 博徒と売春は縦割行政の産物
第3章 龍馬の脱藩に似た次郎長の無宿
第4章 古いモラルと調整能力でのし上がる
第5章 思想があるやつは嫌われる
第6章 死ねば仏だ。官軍も賊軍もあるものか
第7章 路地裏のベンチャー