内容説明
歴史的にみれば19世紀のイギリス、20世紀のアメリカと、持続的な経常黒字は経済大国の象徴だった。日本の黒字は大国興隆の交替現象であって人為的抑制は世界の損失となるはずである。それを支える日本的経営も歴史の所産であり安易な変更は日本を危うくする。日本経済の構造問題のポイントはそこにあるのではなく、新しい二重構造=製造業と非製造業の生産性格差=を解消することである。縮み志向、成熟社会観に挑む本音の将来ビジョン。
目次
序章 環境変化が求める新しい日本の構想―曲り角に立つ日本の経済社会
1章 「昔なら恐慌」からの脱却―縮み志向、成熟社会観の誤り
2章 「大国の興亡」は歴史の必然―人為的経常収支黒字削減は経済力を殺ぐ
3章 日本型経営の根幹は変えてはならない―二一世紀を担う技術を生み出す力
4章 国際「貢献」ではなく日本の「生存」のために―国際秩序の形成に主導的関与を
5章 産業構造の基底的変革を―生産者重視から消費者重視へ