内容説明
1930年の金解禁をきっかけに、日本は恐慌に陥った。そのとき経済学者たちは、いかなる論戦を繰り広げたのか?何が恐慌からの脱出を可能にしたのか?70年前、日本を襲った未曽有の経済危機、われわれは今、何を学ぶべきか。
目次
金本位制移行から昭和恐慌まで:歴史的概観
第1部 金解禁論争をめぐって(国際金本位制の足かせ;「失われた13年」の経済政策論争;金解禁をめぐる新聞メディアの論調;経済問題にかかわる雑誌ジャーナリズムの展開)
第2部 回復への途(昭和恐慌に見る政策レジームの大転換;昭和恐慌と予想インフレ率の推計;昭和恐慌期における不良債権問題と金融システムの転換;なぜデフレが終わったのか:財政政策か、金融政策か)
昭和恐慌の教訓
著者等紹介
岩田規久男[イワタキクオ]
1942年生まれ。66年東京大学経済学部卒業。73年同大学院経済学研究科博士課程修了。上智大学経済学部教授等を経て、現在、学習院大学経済学部教授
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感想・レビュー
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nori
5
I took this book because ex vice chairman of BoJ wrote it under 白川 regime. Analysis were made in order to conclude reflation was only right tool that time. However, I felt pity that side effect of reflation was not mentioned in 昭和 and in current BoJ. 2018/04/15
えちぜんや よーた
3
一応読んだとということにしておきます。ですがこの本はマクロ経済学の予備知識がないと読むのは困難だと思われます。関連図書としてクルーグマン「マクロ経済学」よりもスティグリッツ「マクロ経済学」をおすすめします。2011/09/11
KAZOO
2
歴史を研究するにはいいのですが、それを現状に当てはめて日銀の政策を批評するというのは、あまりに拙速に過ぎるのではないかと思われます。昔は世界経済の影響を被るのは時間がかかったし、限定的な影響であったのではないかと思われます。その後のリーマンショックなどを考えてみても、うまく対応できている部分もあったかに考えられます。内容も一人の方が書いているわけではないので若干レベル的には章によって下がります。参考文献と付録はしっかりしていると思いました。2013/04/11