出版社内容情報
これまで所得格差が注目されていた女性間の格差。格差研究の第一人者が「幸福度」に注目し、新たな女女格差を分析した衝撃の書。
内容説明
ワセジョと慶應ガール、就職先はどう違う?総合職と準総合職と一般職と専門職、働き方はどう違う?四大卒と高卒・短大卒、どちらが幸せ?「高学歴女性の学歴・結婚・キャリア」を格差研究の第一人者が徹底分析!
目次
第1章 今後の日本は女性の活躍が握っている
第2章 既婚女性の労働は幸福か
第3章 総合職・一般職・専門職は何が違うのか
第4章 超高学歴、高学歴、低学歴は何が違うのか
第5章 大学別に見た女子大生の教育・キャリア
第6章 高学歴女性はなぜ苦悩するのか
著者等紹介
橘木俊詔[タチバナキトシアキ]
1943年生まれ。小樽商科大学卒業、大阪大学大学院修士課程修了、ジョンズ・ホプキンス大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。大阪大学、京都大学教授、同志社大学特別客員教授を経て、京都女子大学客員教授、京都大学名誉教授。その間、仏、米、英、独の大学や研究所で研究と教育に携わり、経済企画庁、日本銀行、財務省、経済産業省などの研究所で客員研究員等を兼務。元・日本経済学会会長。専攻は労働経済学、公共経済学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆか
23
着眼点はよいが、もう少し掘り下げて欲しかった。特に後半、偏差値表を用いて何を論じたいのか。幸福度の基準は曖昧で、高学歴の女性ほど、責任を任される仕事が多くストレスがあり、専門学校卒などは、責任のない仕事に従事することが多いから幸福度は増すのではという理論には首を傾げるばかり。何度もでてくる家事や育児を「協力する男性」という表記にはうんざり。お嬢様大学に母の出身大学があったが、本にあるような「いい配偶者に恵まれ幸せな家庭を築くようにする目的」ではなく、世間を知らなすぎて父のような人と結婚してしまうので注意笑2020/09/14
katoyann
19
80分集中して読了。管理職志向の女性が少なく、かつ専門職に占める女性の割合が概ね20%台であるという格差の現実が分かる。著者は企業の統計的差別を失くし,クオータ制を導入して、民間企業の管理職40%以上を目指すべし、とする。概ね賛成だが、難関・名門大学の女性がどの学歴の男性と結婚するのかなどの話は、明け透けであまり気持ちの良い話ではない。学歴同類婚は有名な話で、さらに難関大学卒の女性が自分の出身大学よりランクの落ちる大学の男性を結婚相手に選ばないというのも有名な話。半分くらい要らんわ、と思いながら読んだ。2021/12/23
uniemo
11
キャッチャーな感じの帯で手にとりました。既に就職し結婚し有職主婦も専業主婦も経験している立場だとデータとして面白いところはあったり、最新偏差値まで載せた難関大学等の区分けに少し下衆めいた興味は持てましたが、特に新しい情報は得られませんでした。これから職業を考える若い女性が読むとまた違うと思います。確かに女性に専門職はお薦めだと私も思います。2020/07/07
うれい
5
ゼミ課題で読んだ本。今年の2月発行で、取り扱われているデータは新しめ。女性には専門職が特にふさわしい、と所々で筆者は述べているが、国家資格を取得したり専門知識を身につけるのには時間もお金もかかるし、資格を取得した後も、個人事務所を開いたりするのであれば自分で顧客を確保しなければならず一概に安泰とは言えない。また専門職がふさわしいと筆者が主張する理由の1つ目が、総合職のハードルは女性にとって高く差別も依然として残るから、だったが、女性が総合職を今以上に避けるようになれば状況は好転しないのでは?と思った。2020/04/20
Megumi Hirayama
4
女性の大学進学率が高まり、高学歴、超高学歴の女性が社会に進出するようになったが、女性自身の幸福度は果たして上がっているのだろうか、というところから論じられている。出身大学をランク分けして、大学の特色まで述べ立てて、就職の際に望むのは総合職か一般職かとか、結婚相手は自分と同じランク以上の大学卒男性を選ぶとか、データに基づいて色々書いてるけど、だから何?と思ってしまった。社会によって選ばされている、なんて被害妄想的な事は上野先生に任せておくが、こちらの筆者もステレオタイプに女性をみているな、と言う感じ。2020/06/26