内容説明
「青い海の沖縄」は、どこから来たか。日本復帰によって、沖縄はいかにしてナショナルな物語に組み込まれ、南のリゾートとして変容をとげたか。基地とリゾート、二重の現実を、まったく新しい切り口から解き明かした画期的な書。ビジュアル資料、用語解説、コラムも充実。
目次
はじめに イメージをとらえる視点
第1部 「開発」としての沖縄海洋博(オリンピックと万博による国土と国民の「開発」;沖縄の「開発」と海洋博)
第2部 沖縄海洋博の中に入る(「海」をめぐるイメージ・ポリティックス;観光リゾートとしての沖縄イメージの誕生;ビジュアル・メディアとしての海洋博)
第3部 海洋博と沖縄社会の変容(復帰後の沖縄社会と海洋博世論;海洋博から沖縄キャンペーンへ―沖縄の観光リゾート化のプロセス)
著者等紹介
多田治[タダオサム]
1970年大阪府四条畷市生まれ。早稲田大学大学院文学研究科社会学専攻博士後期課程満期退学。博士(文学)。現在琉球大学法文学部助教授。国際シンポジウム「カルチュラル・タイフーン2004in沖縄」で、実行委員長を務める
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
二人娘の父
4
沖縄歴史倶楽部のトークイベントで本書の存在を知り、タイミングよくkindle unlimitedで読めた。内容的には色々と「面白い」読み物としては読めたが、そもそも沖縄を題材にはしているが、ツーリズムというか観光学、あるいは社会学の言葉遣いで、いろんなことを伝えようとしてくるので、少し情報過多(あるいは掘り下げ不足?)な面も感じる。著者の他の著作も読んでみないことには、私の中での評価は定まらない感じもする。とにかく4月からはしばらく「沖縄シリーズ」。その1冊目でした。2024/04/02
1
面白い。この話題の本はなかなかない。契機は沖縄海洋博であった。ただ…沖縄海洋博が今日に至る沖縄のイメージを強調しているのはそうだが、これがきっかけだったのかはよくわからない。何もしなくても本土復帰から伸び始めた観光客によって沖縄のイメージは生まれていそうだ。後、社会学の概念を色々持ち出す必要はあったのだろうかと思う。こんなところに見つけることができる、そういう例示か。2024/04/25
ぞくちょう
0
レポート制作のため再読。沖縄論を中心としながらも、地域文化論を広く論じており、自分の研究のバイブルともなりそうな一冊。2017/07/23
ぞくちょう
0
教授から借り流し読み。 買って分析読みしようと思う2017/06/19
t78h1
0
具体的な政策、事象からどのように「沖縄」が作られていったのか綿密に調べられている。2013/02/16