出版社内容情報
今不死鳥の如く蘇える石橋湛山の思想・言論の精髄を集めた全4巻の著作集。本巻は東洋経済入社から金融恐慌に至るまでの論説37編を収録しその背景・意義を解説。
内容説明
本書は、石橋湛山の東洋経済新報社入社直後から昭和2年の金融恐慌にいたる間の経済論説37編を、おおむね時系列を追って問題別に編集している。昭和金融恐慌をはじめとして、コメ中心の農業政策、関東大震災後の都市建設、土地偏重主義、税と地方分権、国際収支・国際信用制度問題、政財界の道義のあり方等々、多彩な経済論のなかに、湛山の高いジャーナリズム精神と、リベラリズムに基づく「商工立国・小日本主義」という経済思想の全体像とを読み取ることができる。
目次
1 帝国主義への警告
2 民衆時代の経済思想
3 第一次大戦後の諸問題
4 労働運動への対応
5 軍縮と世界経済
6 新農業創造と地方自治
7 昭和金融恐慌と対応策
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
13
石橋湛山は高橋亀吉と並んで在野の経済・政治評論家です。以前に湛山の全集を読もうと思いましたが、あえなく断念。そしてこの4巻本を何度か読んでいます。この巻には、表題にあるように若干経済的な評論が多くおさめられています。特に参考となるのは、第一次大戦後の諸問題、新農業創造と地方自治、昭和金融恐慌と対応策で現在にもかなり通用することが書かれていると感じました。2014/08/13
Francis
6
私が最も尊敬する日本の政治家・エコノミストの著作集です。この巻は経済評論集でいずれの評論も優れた現状の分析と自由主義およびプラグマティズムに裏打ちされた経済政策が唱えられている。軍縮の推進と産業への投資、帝国主義の否定そして国際分業および貿易の推進、農業の多様化、地方自治の推進、などいずれも現代でも通用するに値する論考が収められている。この人が総理大臣になったにもかかわらず、病のため数カ月で退陣したのは本当に残念。2015/07/07