出版社内容情報
遺伝子には個人差はほとんどない。遺伝子のスイッチがオン/オフで、健康、考え方、行動、ひいては人生が大きく変わる。
内容説明
遺伝の基礎から、薬物依存、食べ物依存、うつ、子育てとの関係まで。注目のエピジェネティクスがわかる。
目次
第1章 人生はDNAの配列だけでは説明できない
第2章 ゲノム研究からわかったこと
第3章 エピジェネティクスとは何か?
第4章 薬物依存と食べ物依存から考えるエピジェネティクス
第5章 エピジェネティクスとうつ
第6章 母の子育てが子どもの脳に影響する
著者等紹介
生田哲[イクタサトシ]
薬学博士。1955年、北海道に生まれる。がん、糖尿病、遺伝子研究で有名なシティ・オブ・ホープ研究所、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)などの博士研究員を経て、イリノイ工科大学助教授(化学科)。遺伝子の構造やドラッグデザインをテーマに研究生活を送る。現在は日本で、生化学、医学、薬学、教育を中心とする執筆活動と講演活動、脳と栄養に関する研究とコンサルティング活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きみたけ
53
著者は薬学博士の生田哲先生。遺伝子の働きをオンオフするスイッチを研究する「エピジェネティクス」について紹介した一冊。薬物依存や食べ物依存は本人の意思が弱いから起こるのではなく、子供の頃の逆境が大人になってからの生活習慣病の引き金になること、子供の性格を決めるのは母親による子供のケアであることなどを説明しています。ゲノム研究やヒト遺伝子の構造など、若干専門的用語が出てきますが素人にも理解できるよう挿し絵や図を多用して分かりやすく解説、勉強になりました。2022/11/13
おの
9
図書館本。エピジェネティクスのしくみについてよく分かる。遺伝子発現のメインスイッチは昔はプロモーターと考えられていたが、今はヒストン修飾によってクロマチン構造を変化させることということが分かったという話が興味深かった。うつのマウスを作製する話が気の毒だった。マウス…!2022/12/26
関東のカササギ
2
期待外れでした。学術的な本ではなく、「〇〇式教育法!」のような育児本に近い印象です。2024/04/05
salamann
2
面白かった。主にエピジェネティクスに関する話が展開されており、分かっていることと類推されることの間に若干の乖離があるかんじはするが、エピジェネティクスがいかに影響を及ぼしうるか、みたいな観点を知るのにはよさそう。2023/10/20
mach55
2
遺伝子の配列が変わる変異ではなく、遺伝子発現のスイッチのオンオフの切り替えで遺伝子の使い方を変えるエピジェネティック。そのスイッチになるのがヒストン修飾。タグのアセチル基がヒストンにつきアセチル化→ヘテロクロマチン構造になりオン。DNAのメチル化(メチル基がDNAのC塩基につくこと)→ユークロマチンにあなりオフ。この仕組みが、薬物依存や過食、うつ、子供の性格形成の原因として説明できるという。意思どころか遺伝子レベルに組み込まれてしまっているなんて驚き!2022/10/07
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- 和書
- 大地 〈上〉 岩波文庫