出版社内容情報
編集後記より
◆算数の内容は現行の学習指導要領では4 つの領域に分けられている。しかし,実際の授業で子どもが働かせる「数学的な見方・考え方」は,領域をまたいで発揮されることがよくある。
この事実は,「領域」が「分野」や「区分」という呼び名に変わったとしても,揺らぐことはない。
◆たとえば,理解が難しいといわれる「割合」の研究を重ねていくと,「そろえる」という方法知や,「1 とみる」相対的な見方の重要性に行き着く。そしてそれらは高学年になってから急に学ぶものではなく,1年生からあらゆる領域での「比べる」場面で一貫して積み重ねられていることがわかる。
◆そのような子どもの姿をもとに内容を見直すことによって,これまで意識していなかった算数・数学科の本質や体系が見えてくるのではないか。本論究号で「分野横断を導く『比べる』」という特集題を設定したのは、そのような思いからである。
◆ご執筆いただいた先生方には,期間が短い中でのご依頼となったにもかかわらず,本テーマを深く考察していただき,非常に読み応えのある原稿を寄せていただいた。本書を手に取られた読者の皆様にとっても,新たな知見を得る一助となれば幸いである。
◆なお,年度末からの編集作業となったため,執筆者のご所属は3 月末時点のものとなっていることをご了承いただきたい。
(青山尚司)
【目次】
算数授業論究ⅩⅩⅢ
算数授業研究 No.163
論究 分野横断に導く「比べる」
提起文 青山尚司02
「比べる」活動で育てる資質・能力 清水美憲04
子どもが「比べる」姿からみえること 夏坂哲志08
「探究的な学び」を導く「比べる」活動 盛山隆雄12
計算の指導と「比べる」こととの関係 清水紀宏16
図形の指導と「比べる」こととの関係 松尾七重20
測定・計量の指導と「比べる」こととの関係 池田敏和24
割合の指導と「比べる」こととの関係 市川 啓28
関数の指導と「比べる」こととの関係 清野辰彦32
統計の指導と「比べる」こととの関係 青山和裕36
全国学力・学習状況調査における「比べる」ことに関する内容とその分析 小山雅史40
「比べる」授業実践
低学年「数と計算」 大野 桂44
低学年「図形」 田中英海46
下学年「測定」 中田寿幸48
中学年「数と計算」 森本隆史50
中学年「図形」 青山尚司52
中学年「変化と関係」 田中英海54
高学年「数と計算」 青山尚司56
高学年「図形」 森本隆史58
高学年「変化と関係」 大野 桂60
高学年「データの活用」 中田寿幸62
中学校数学における「比べる」活動 四之宮暢彦64
理科における「比べる」活動 志田正訓66
研究発表 白石大樹68
表紙解説「心象造形/堆積」 八洲学園大学教授 佐々木達行
「論究」,本号から新シリーズ「心象造形」をはじめる。「心象造形」とは,心象抽象的,形而上学的な主題を捉えた表現である。人の様々な経験は,心の中に地層のように降り積もっていく。本作は使用済み珈琲パウダーをアッサンブラージュして表現した。心に「堆積」したものの心象的風景である。
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