出版社内容情報
本書で提案する「謎解き物語文」は、子どもが夢中になって読むうちに、言葉に立ち止まって考える力が育つ教材です。物語の中に隠された「なぞ」を解き明かす体験は、推理小説のようなワクワク感いっぱい。あわせて低・中・高学年ごとの読むための基礎力を育てるワークシートも用意しています。授業はもちろん、家庭学習や読書活動でも大活躍するシリーズです。
本書からわかること
<「謎解き物語文」とはなにか>
「謎解き物語文」は、物語をただ読むだけでなく「どうして?」「なぜ?」と考えながら読み進めるお話です。登場人物の行動や場面の描写などの叙述にヒントが隠されていて、読み手の子どもが探偵役となり謎を解き明かします。最後に「ヒント編」と「解答編」が用意されているので、自分の推理を確かめる楽しさも。大事な言葉に立ち止まったり、自然に何度も読み返したりして、言葉を丁寧に味わうことができる、新しい学びの形です。
<謎解き物語で育む言葉の力>
低学年では「場面や登場人物の行動をつかむ力」、中学年では「気持ちの変化や情景を感じ取る力」、高学年では「心情や人物像を深く考える力」が伸びます。謎解きは子どもを前のめりにさせ、「ここにヒントがあるかも」「あの伏線と登場人物の行動をつなげて考えると謎がとけるかも」と言葉に立ち止まる習慣を自然に生み出します。友達と話し合ったり、自分の考えを確かめ合ったりする中で、主体的・対話的で深い学びが実現します。
<本書の構成>
本書は2つの柱でできています。
第1章には「会話」「行動」「表情」「場面の様子」「題名」「くり返し」「オノマトペ」「比喩」など、小学校学習指導要領国語編で「読むこと」の指導事項として示された「読むためのキーワード」に注目できるワークシートを豊富に用意。まずはこのワークシートで、言葉に立ち止まる力を養います。
第2章には、実際に子どもが探偵気分で楽しめる「謎解き物語文」を10作品収録。低学年では登場人物の行動や会話文、オノマトペなどにヒントが多く隠されています。まずは一人で読んで自分なりの「答え」を探し、友達とそれぞれの読みを持ち寄って謎を解きあうなかで協働的な学びも実現します。だれでも言葉の名探偵になって大活躍することができます。
<授業への取り入れ方>
謎解き物語文は、教科書の物語文教材で示されている「ねらい」に沿って創作されています。そのため、教科書教材のプレ教材として取り入れやすいのも特長です。ワークシートや謎解き物語文で身に付けた言葉に立ち止まる力が、教科書教材を読むときに大いに役立ちます。
国語の授業時間だけでなく、帯学習や家庭学習にもぴったり。子どもの学びの実態にあわせて、柔軟に使える一冊です。
こんな先生におすすめ
子どもが前のめりになる授業をしたい先生
子どもに言葉に立ち止まって読む力を育てたい先生
もっとおもしろい国語の授業をしたい先生
【目次】
はじめに/1
序章/5
序文・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
「スイミー」導入での活用イメージ・・・・・・・・・13
低学年 光村教科書物語文との関連・・・・・・・・14
第1章 基礎編 ─読むための基礎力ワークシート─ /15
第1部 会話 ①~⑤・・・・・・・・・17
第2部 行動 ①~⑤・・・・・・・・・23
第3部 表情 ①~③・・・・・・・・・29
第4部 場面の様子 ①~④・・・35
第5部 題名 ①②・・・・・・・・・・・41
第6部 くり返し ①~③・・・・・45
第7部 オノマトペ ①~⑤・・・49
第8部 比喩(たとえ) ①~③・・55
第2章 実践編 ─謎解き物語文─/59
つぎに 出てくる ものは なあに
─オノマトペや出てくるものの順序に気を付けて読もう・・・・・・・61
だれが だれだか 分からない
─登場人物の行動や様子、会話文に気を付けて読もう・・・・・69
黄色い手ぶくろはどこ?
─登場人物の会話や行動、様子に気を付けて読もう・・・・・77
リモコンはどこ?
─会話や様子、行動を表す言葉に気を付けて「ふしぎ」の謎を解き明かそう・・・・・85
赤ちゃんカンガルーがきえちゃった!
─登場人物の行動やオノマトペに気を付けて読もう・・・・・95
だれがきつね?
─会話文やオノマトペ、様子に気を付けて謎を解こう─・・103
シュークリームを食べたのはだれ?
─会話や行動、様子に気を付けて謎を解こう─・・・・・111
フルーツたんてい
─たとえや色、行動に気を付けて読もう─・・・・・121
赤いボールはどこ?
─登場人物の会話や行動、くり返し出てくる言葉に気を付けて読もう─・・・・・131
ようこそ、ふしぎしょう店がいへ
─登場人物の行動や様子を表す言葉に気を付けて読もう─・・・・・141
第3章 授業の実際 /151
ヨムトレ授業の実際 作品「きえたブルーダイアモンド」・・・・・152
おわりに/158
本書のダウンロード・コンテンツの利用方法/159
執筆者一覧/160