出版社内容情報
学校教育では、人としての「生き方」に自覚的になることの重要性が唱えられている。
自らの生き方を自覚し生きる力を養うために、「知・徳・体」の育成が掲げられている。
これら3 つのうち、「徳」とは何だろうか。
「徳」の育成が生きる力を養うことになるとはどういうことだろうか。
そして、学校という場で営まれる様々な教育活動は、具体的なところ、徳を育むことにどのように関わるのだろうか。
本書は、徳を理論と実践の両面から多角的に捉えることでこうした問いに応えようと編まれた一冊である。
【ターゲット】
哲学・教育哲学・教育学分野の研究者
学校等の教育現場に携わる教職員
教育行政に関わる役人
徳や教育に関心をもつ一般読者
目次
第1部 理論編(徳倫理学(西洋)
徳認識論(西洋)
認識的不正義(西洋)
徳理論と教育
東洋における徳の思想)
第2部 実践・応用編(道徳教育における徳;部活動と徳;教師の/と徳;学校保健と徳;学習支援と徳;情報教育と徳;シティズンシップ教育と徳;クリティカル・シンキング教育と徳;哲学対話と徳)
著者等紹介
立花幸司[タチバナコウジ]
千葉大学大学院人文科学研究院助教/ジョージタウン大学メディカルセンター国際連携研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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有智 麻耶
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第1部では、西洋の徳倫理学や徳認識論をはじめとする理論を概説し、アリストテレス的道徳発達モデルや認識的不正義などの分析視角を提示する(なお、第5章は中国思想を取り扱う)。第2部では、道徳教育にとどまらず、部活動や学校保健などを射程に入れた「徳の教育」の実践を紹介する。学部学生の頃、「チャールズ・テイラーの思想でシティズンシップ教育を分析することはできませんか」と、ある先生に質問したところ、「シティズンシップとコミュニタリアニズムとは結びつけにくい」と返されたことを思い出した。そんなことはないじゃないか!2024/02/13
kuro
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道徳教育について哲学の「徳」をキーワードに読み解いていくのは面白かった。昨今導入された教科としての道徳は、哲学の「徳」の話も巻き込むことでより理解が深まりやすくなるような気がする。2023/11/20