出版社内容情報
台本をとびこえた学びを、子どもたちとその場でつくる!
本書の概要
「教師の考えを子どもたちに押し付ける授業スタイルを変えたい…」そうお考えの先生は、実は多いのではないでしょうか。でも、実際にどうすれば実現できるかは、「センス」「経験年数」などの言葉でまとめられ、なかなか言語化されません。本書では、そんな「授業のアドリブ力」を、授業の4つの場面と9つの視点で説明しています。
本書からわかること
「押し付けない」授業を実現させるには
本書で紹介する「アドリブ授業」とは、教師の台本(=事前の準備や指導案の作成など)をとびこえた学びを、子どもたちとその場でつくる授業です。教師は、子どもに合わせて授業を修正・微調整していきます。
授業が想定したとおりに進まないと、どこに行きつくかわからない不安も出てくるかもしれません。それを解消するのが、本書で大切にしている、「学びの本質との共通点を外さない」ということです。子どもの興味・関心に寄り添いつつ、本質を押さえながら学びを広げていくためには、授業の4つの場面と9つの視点を意識することが重要です。
アドリブ力は才能ではない?!
「教師が子どもの実態や状況に合わせて瞬間的に授業を修正・微調整する」と聞くと、どこかつかみどころのないスキルに思われがちです。でも、それ自体は、多くの先生方がすでに授業で行っていることなのです。上述の場面・視点を手がかりに、先生方がどんなときに授業の進め方を判断しているかを言語化していくことで、再現性を高めていくことができます。
センスや才能ではない具体的な根拠をつみかさね、自分なりの「アドリブ授業」を築いていくことが大切です。
アドリブ授業でこそ重要な「台本」
一方で、このように聞くと、「アドリブ授業」に台本はいらないと思われるかもしれません。しかし、そうではありません。アドリブ授業をするにあたっても、台本はベースとして欠かせません。問題は、それにとらわれすぎることです。そうなると、その道筋に子どもの学びを押し込めることになりかねません。本書では、アドリブを通して、教師に必要な「授業の判断力」についても迫っていきます。
台本どおりにならないよさは、たくさんあります。何よりも子どもたちは、正解を知ること以上に、そこに至るまでの学びの過程に、大きな意味を感じているのではないでしょうか。
学びの広がりを子どもも教師も楽しめる授業づくりの提案です。本書と一緒に始めてみませんか?
内容説明
授業力を磨くには「10年やればわかる」「センスを磨け」「判断力が重要」…って、結局どういうこと?子どもの視線の意味を考える。子どもと教師の「学びのチューニング」。「いつものパターン」を身につけるための台本づくり。子どものヒットを分析する。意外なつぶやきを拾う?拾わない?アドリブ授業をするには何からはじめればよいか。
目次
第1章 アドリブ授業のとらえ方(台本どおりにならないことの「よさ」;アドリブ力は才能ではない ほか)
第2章 授業でアドリブをしかけるための視点(授業導入 子どもと教師で行う「学びのチューニング」;授業導入 めあての言葉のひとり選考会議 ほか)
第3章 アドリブ授業の実際(道徳2年「学校たんけん」;国語2年「スイミー」 ほか)
第4章 授業でアドリブをひらめくための日常習慣(私の「問い」のとらえ方・関わり方;子どものヒットを分析する ほか)
著者等紹介
吉田雄一[ヨシダユウイチ]
神奈川県綾瀬市立綾西小学校教諭。1981年生まれ。島根大学教育学部学校教育教員養成課程美術教育選修卒業後、神奈川県公立小学校、横浜国立大学附属鎌倉小学校勤務を経て2020年4月より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。