内容説明
認知科学の「理論」に基づく、10年に及ぶ協調学習の「授業実践」に裏づけられた「学び」のエビデンス。対話から学ぶ力は、誰にでもある!
目次
第1章 国境を超えて
第2章 対話から学ぶ仕組み
第3章 「知識構成型ジグソー法」と子どもの学び
第4章 対話的な学びの評価
第5章 対話から学ぶ教師のコミュニティ
第6章 学びのネットワークをつくる
第7章 対話から創造へ
著者等紹介
白水始[シロウズハジメ]
国立教育政策研究所総括研究官。東京大学客員教授。1970年生、1993年東京大学卒業。2004年中京大学認知科学博士。中京大学情報科学部講師、国立教育政策研究所総括研究官、東京大学大学発教育支援コンソーシアム推進機構機構長・高大接続研究開発センター教授等を経て、国立教育政策研究所初等中等教育研究部総括研究官兼東京大学客員教授。専門は学習科学・認知科学。中京大学で故三宅なほみ氏と共に大学生対象の協調学習実践、国立教育政策研究所で学習科学に基づく教育政策基盤研究を展開後、東京大学で小中高生対象の協調学習実践を全国の先生方と進める。今後の教育のための授業法・評価・ICT活用・教師支援研究を一体的に進める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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buuupuuu
14
一度構築された理解を破壊し、新しい視点を取り入れて再構築することで学習は進む。対話にはこの過程を様々な形で促進する力がある。この対話の力を取り入れた授業法として「知識構築型ジグソー法」が紹介されている。また、児童・生徒の多様性と相互作用の複雑性ゆえに学習についての普遍的な理論はなく、教師自身が授業づくりについて自ら学習していく必要がある。それを支援するCoREFを中心とした様々な取り組みも紹介される。パッケージでもヴィジョンでもなく、型を軸とすることで主体性を確保し課題を共有できることも述べられている。2023/04/05
n-shun1
2
教員向け「知識構成型ジグソー」の紹介,実践例。教員同士の対話的学びにも注目し,そのやりとりを紹介。学びにおける対話の機能。学習課題の設定がポイント。2021/02/11
にくきゅー
2
学習指導要領のいう対話を理解するためには、社会構成主義を理解せんといかんのねぇと思いました。知識構成型ジグソー法の授業について、この学習の仕方、つまり、常に教師が材料を適切なサイズに切り分け、問いを設定するやり方が、学校教育が終わったあとにも通用するやり方かは疑問だった。しかし、自学ノートの例などから自分で学ぼうとする意欲は駆動されているように思った。とにもかくにも、理論と実践とそれを結ぶ過程のことも書いてあって誠実な本。また読むぞ。2020/07/12
松村 英治
2
院生時代、三宅なほみ先生の授業をとっていたけど、あの頃は「知識構成型ジグソー法」と言われてもちょっとマニアックな方法論としか思っていなかった。 丁寧な実践と分析、型やツールの開発と運用などが約10年続けられた成果がこの1冊になっていると思う。 ジグソー法、授業の中でぜひ取り入れてみたい!2020/04/21
zhiren
1
本書でいう対話力とは、個人の特技としての「トーク力」のことではない。「対話自体が持つ力」のことだ。人は誰でも日々様々なことを感じ、考えて生きている。だからこそ人が人が対話した時、そこに個を超えた大きな力が生まれる。そこで筆者は対話が持つ力を教室の場で発揮させようする。そのための手法が「知識構成型ジグゾー法」と呼ばれるものだ。同方法は、教師が知識を生徒に与えるのではなく、生徒たちが対話により、知識をまるでジグゾーパズルのように組み立てていく。あるべき教育はこの方向だと思う。2024/12/08
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