内容説明
子どもはなぜ学校に行かなければならないのか。なぜ教育を受けなければならないのか。人間の歴史において、子どもは、とくに庶民の子どもは、長いあいだ学校に行かずに大人になった。誰もが学校に行くようになったのは、近代以降のことである。子どもは必ず教育を受けなければならないという考え方は、近代啓蒙思想とともに始まった。だから、この思想とその展開のなかに、上の問いに対する答えを、あるいは少なくとも答えのヒントを、見いだすことができるはずである。本書は、その試みである。
目次
第1部 国際化時代の公教育(教育基本法の公教育の理解;近代公教育の原理;国民教育の展開;国際化時代の公教育;我が国の公教育―過去と現在;我が国の公教育―将来)
第2部 教育目的の探求(教育基本法の教育目的;啓蒙思想の教育論;デュルケムの教育論;ポパーの知識理論;人格の完成をめざす教育)
著者等紹介
中村清[ナカムラキヨシ]
1942年生まれ。1972年大阪大学大学院文学研究科博士課程単位修得退学。現在、宇都宮大学教育学部教授。専攻は、教育哲学、教育社会学
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