内容説明
理科の教師が物知りであるに越したことはない。しかし、広い自然科学の各領域を全部マスターすることは到底望めない。理科教師として、知らないことは決して恥ではない。知らないことを自覚したとき、すぐに調べ始める熱意がないのは大きい恥である。大切なのは、学習者に「教えること」、「やらせること」、「考えさせること」の3点を明確に区別して対処する態度である。生徒からどんな疑問が出そうか、その疑問に対してはどう対処するのがいいのかについて考えてみた。これらを雑誌『理科の教育』に「一問一答/教材研究室」として、1979年8月号より毎月2ページずつ7年間ほど連載してきた。この記事だけをまとめて読みたいという要望もあるので、日本理科教育学会の了解を得て、改めて本にした。博識の理科教師をさえも困らせる質問が生徒から続々出てくるような授業を期待したい。
目次
1 身近な理科100題
2 総論50題(理科教育と理科教師;理科教具の自作;計量器と測定値;上皿てんびん;電流回路;墨流しと分子の大きさ;熱量とエネルギー〔ほか〕)