出版社内容情報
私たちの過去は、誰かによって語り継がれ、また書き留められることによって「歴史」として現在まで伝わっています。だが果たして真実とフィクションの境目はどこにあるのか。客観的な歴史は存在するのか?人々を楽しませるため、または惧れさせ支配するために真実に手が加えられることはなかったのか。権力者によって真実が歪められることはないのだろうか――。本書は、古代からインターネットの時代まで、膨大な数の「歴史の書き手たち」を取り上げ、彼らが生きた時代や社会背景、国家体制、職業、置かれた立場や人間関係などを分析しながらどのように歴史がつづられてきたかを追います。本書が扱うのは聖書、ヘロドトスやギボンなど古典的歴史書、シェイクスピアをはじめとする文学作品、王の偉業を織り込んだタペストリー、さらにはナポレオンなどの偉人伝、南北戦争などの戦記、個人の日記、哲学書、テレビのドキュメンタリーや人気歴史番組まで、そして「書き手」も皇帝や王など支配者、キリスト使徒、文学者、詩人、劇作家、女性の作家、哲学者、歴史研究者、政治家、ドキュメンタリー作家まで幅広い。客観的な歴史は存在するのか。都合よく歴史をつくり上げなかった国や民族は存在するのか? フェイクニュースがはびこり歴史の意義が問われる今こそ、必読の書です。
【目次】
第13章 赤い歴史家たち――カール・マルクスからエリック・ホブズボームまで
第14章 内側から見た歴史――ユリウス・カエサルからユリシーズ・S・グラントまで
第15章 歴史を紡ぐ――チャーチルとその工場
第16章 対極の巨人――学界内での戦争
第17章 傷ついた歴史家――ジョン・キーガンと軍人の思考
第18章 女性の歴史(ハーストーリー)――班昭からメアリー・ビアードまで
第19章 誰が歴史を語るのか――ジョージ・W・ウィリアムズからイブラム・X・ケンディまで
第20章 悪い歴史――真実を語ることvs.「愛国心」
第21章 歴史の第一稿――ジャーナリストと近い過去
第22章 テレビでの歴史――A・J・P・テイラーからヘンリー・ルイス・ゲイツ・ジュニアまで
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- 和書
- 獄中日記 詩とそのひと