内容説明
石田三成はなぜ立ち上がったのか?徳川家康は何と戦い、何を破ったのか?秀吉が歿した慶長3年8月から関ヶ原の戦い直前の慶長5年7月までの2年間における豊臣政権内部の対立構造を分析し、勝者と敗者を分けたものが何だったのかを解き明かす。
目次
序章 徳川家康と石田三成
第1章 秀吉が整えた「遺言体制」―五大老・五奉行
第2章 家康の私婚問題と三成の失脚
第3章 加賀征討と会津征討の連続性
第4章 西軍の挙兵
補論 小山評定はフィクションなのか
終章 関ヶ原の役の意義とは
著者等紹介
水野伍貴[ミズノトモキ]
1983年愛知県生まれ。高崎経済大学大学院地域政策研究科博士後期課程単位取得退学。現在、株式会社歴史と文化の研究所客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フランソワーズ
5
豊臣秀吉の死前後の権力闘争から関ヶ原直前までを詳解。一次史料のほか、『看羊録』も積極的に用いているところに特徴があります(史実の検証を行った上で)。そこから浮かび上がってくる様々な史実からは最早、通説のドラマティックさは窺えないけれど、むしろより一層ドロドロとした人間模様で面白い。例えば家康派と一括りにされている武将(加藤清正等)も必ずしも一貫していなかったとか。2021/10/24
Toska
4
関ヶ原合戦に至る壮大な政治ドラマ。秀吉の死を間近に控え、繰り返された誓紙提出を手がかりに遺言体制の構築を再現していく場面などはドキュメンタリー的な面白さがある。他方、家康が政権簒奪を目論んでいたことは自明の事実にされてしまっており、ちょっと引っかかりを覚えるところも。家康が終始一貫して「仕掛ける」側、敵対者は常に受け身なんですよね。これをさもありなんと受け取るか、ほんとにそうだったの?と疑問を持つかは読む人次第。2022/01/30
いなちゅか
3
司馬遼太郎の「関ヶ原」の参考として。細かい資料で事実を一つずつ考察していて、関係人物の言動が分かりやすい。2022/01/25
Ryuji Saito
0
2021年41冊目2021/09/21
phenol19
0
通説は主観が入るので。客観的に見ていくことが大事。