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内容説明
終戦直後、野山を駆け回っていた小泉少年のお腹を満たした食べ物、懐かしいふるさとの味、そして戦後西洋化した日本の食卓まで。半世紀以上にわたるさまざまな食べ物との出会いを通して、日本の食文化の移り変わりをたどる。
目次
1 田舎の悪童たちの胃袋を満たしたもの(昭和二〇年~三〇年)(四〇〇年近く続く造り酒屋に生まれて;カヨちゃんとの痛い思い出 ほか)
2 伝統食の崩壊と新たな食材の登場(昭和三一年~三六年)(日本の食生活が大きく変わった昭和三〇年代;出世魚のごとき「あだ名」が示す食の遍歴 ほか)
3 オリンピック前後の東京の生活文化と食事情(日本全体が希望に満ちていた大学時代;醸造学科のお坊ちゃまレベルは日本一 ほか)
4 激変する日本の食文化への提言(二六歳で訪れた沖縄で肉の多さに圧倒される;沖縄の「おばあ」が教えてくれたこと ほか)
著者等紹介
小泉武夫[コイズミタケオ]
1943年、福島県の酒造家に生まれる。東京農業大学名誉教授。農学博士。専門は食文化論、発酵学、醸造学。現在、鹿児島大学、琉球大学、広島大学などで客員教授を務める。NPO法人発酵文化推進機構理事長。著書多数。単著は140冊を数える(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あじ
52
著者の幼年期から青年期にかけての“食の履歴”を、エピソードを交えながら明朗に綴った読み物。昆虫、鳥類、両生類、戦後食材として食すにはまだ珍しかった哺乳類まで、数々の美味をその舌で回想する。地元の誰よりも食通であり新し物好きである著者は、同級生にマヨネーズや魚肉ソーセージの味を伝導した通。食の才はこの頃から開花していたのだろう。また学校行事の“イナゴ捕り”は、一石二鳥の素晴らしい取り組み。通信簿に丸が貰え、収益は学用品が買えない生徒に回したそうだ。腹の虫を鳴かせる描写が美味い、くいしん坊!万才。2017/09/05
トムトム
33
あら!小泉先生、お坊ちゃまでいらしたのね♪表紙の子供の頃の写真、すごく良い感じのクソガキ感(褒め言葉)で好きです。近所にいたらお菓子あげたくなっちゃう!そんな小泉少年が好きだったものや日常的に食べていたものを紹介しています。戦後の日常風景の記録としても興味深かったです。2021/06/04
澄
12
【立読】著者の子どもの頃から昭和中期までの記憶をエッセイ風に。サラッと読めて面白い。著者曰く、日本人が肉類を食すようになったのは明治時代に入ってからと言われるが、農村・農家では昭和30年頃まで肉類を食べていなかったと記憶しているそうで。江戸時代に四足動物は食べることを禁止していたこともあるが、農村・農家では牛、馬は家族の一員との存在であったために食べる対象になっていなかったということもあるのではないか、と。で、魚がメインであったため、動物性蛋白質の確保のためクジラを食していたのだとか。2017/10/14
ようはん
11
小泉武夫先生の幼少期から青年時代までの食の遍歴を中心とした自伝的著書。子供時代の時点で割と多彩な食生活をしており、それが後の味覚人飛行物体・発酵仮面等と呼ばれるルーツであったのがよく分かった。2019/12/15
gtn
11
著者が幼い頃食べていたもの。干しイモ、身欠きニシン、スズメ、赤ガエル、シマヘビ、イナゴ等々。旨かった旨かったと振り返る著者。ある意味、今よりも豊かな食生活である。2018/06/13