殺戮の宗教史

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  • サイズ B6判/ページ数 287p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784490209341
  • NDC分類 162
  • Cコード C0014

出版社内容情報

神の名のもとにおける「殺戮」はなぜ止まらないのか?世界の宗教にみられる「殺戮の歴史」をたどり、その背景や教義、神の役割を分析

NYの9.11同時多発テロ、シャルリー・エブド社襲撃事件、パリの同時多発テロ。
日本に目を向けても、『悪魔の詩』訳者殺害の謎、オウム真理教による地下鉄サリン事件など、宗教にもとづくテロが国内外で頻発している。なぜ神の名の下における「殺戮」は止まないのか?また、イスラム教は危険な宗教なのか?
十字軍や「聖戦」、魔女狩り、異端諮問から、イスラム国(IS)やアルカイダなどイスラム過激派による近現代のテロまで世界の宗教にみられる「殺戮の歴史」をたどり、その背景や宗教の教義、神の役割を徹底分析。「宗教的テロの時代」の本質を理解するための必読書。

はじめに

第1章 宗教的テロリズムの二一世紀
 テロの時代の幕開け/増え続ける犠牲者の数/危険視されるイスラム教/九・一一の実行犯はどんな人物か/
 実行犯グループとアルカイダの関係/『九・一一委員会報告書』の真偽/九・一一はアルカイダが仕組んだものではない?/
 「アルカイダ」の意味すること/組織化されたテロ集団といえるのか/「組織」なのか「ネットワーク」か/
 インターネットの活用による新たな問題、ほか

第2章 イスラム教は危険な宗教なのか
 頻発する宗教を背景としたテロ/シャルリ―・エブド襲撃事件の衝撃/イデオロギーの対立から「文明同士の衝突」の時代へ/
 イスラム文明vs西欧を中心とした他の文明という構図/「剣かコーランか」という偏ったイメージ/
 「世界の三大宗教」発生と拡大のプロセス/政治的指導者としてのムハンマドの役割/イスラム教拡大には武力も用いられた/
 それぞれの宗教の「違い」を知ること、ほか

第3章 知られていないイスラム教の根本原理
 イスラム教発祥をたどる/偶像崇拝禁止の根拠/ムハンマドに求められた「調停者」という役割/イスラム教誕生の社会的必然性/ 多神教徒を殺せと神は命じた/同時に与えられた「赦し」/歴史的・社会的文脈の中で神のことばを理解する/
 イスラム教の本質的性格/戒律を実行するかどうかは個人に任せられる/イスラム教全体が危険であるとみなされがちな理由、ほか

第4章 原理主義の背後にある神の絶対性
 「原理主義」ということばの広がり/はじまりはキリスト教から/アメリカ社会での福音主義の台頭/
 イスラム教が政治の表舞台に/宗教間の対立のはじまり/イスラム教に強く見られる「原理主義」の傾向/
 「シャリーア」とは何か/一神教は不寛容か/多神教と一神教の本質的な違いとは/神社はいつから存在したのか/
 一神教において絶対的存在である神/「再誕」という経験、ほか

第5章 神による殺戮と終末論の呪縛
 神が直接手を下すとき/ユダヤ教の神の存在は絶大/「創世記」に描かれた神の非道さ/神と人類の複雑な関係/
 キリスト教の「十戒」と仏教の「五戒」の共通点と違い/人類全体を滅ぼしうる一神教の神/
 「絶対神」の観念を生んだユダヤ人の苦難の歴史/善悪二元論はイラン宗教の影響/
 最後の審判とキリストの再臨――キリスト教を世界宗教とした考え方、ほか

第6章 異教や異端との戦い――十字軍について
 キリスト教を世界宗教にした「伝道活動」/アメリカで盛んだった「リバイバル」(信仰復興)/聖人崇拝はこうして始まった/
 三宗教にとっての聖地、エルサレム/十字軍のはじまり/聖地を目指す人々のさまざまな思惑/殉教が尊い行為とされる/
 伝道において「殺戮」はやむを得ぬもの/ローマ教皇の権威確立と「正統」「異端」という判断/異教徒や異端に対する戦い、ほか

第7章 善悪二元論という根源
 日本で見られた「異端」とは/「正統」が明確に確立されなかった日本の仏教界/
 カトリックで行われた異端追放の動き――「異端審問」「魔女狩り」/カタリ派が異端とされた最大の理由――「善と悪の二元論」/ 異端の代名詞「マニ教」とは/聖職者に課せられた厳しい生活の戒律/一神教の抱える根本的な矛盾と悪の存在/
 「悪」が存在する限り殺戮の歴史は終わらない、ほか

第8章 聖戦という考え方
 「殺せ」か「殺すな」なのか/恐怖の神から、慈愛深き神へ/異なる信仰をもつ人間と共存するために/
 互いを受け入れ難いユダヤ教、キリスト教、そしてイスラム教/「ジハード」の解釈をめぐって/カリフの役割とは/
 「ジハード」は「聖戦」ではない/後世に影響を与えたタイミーヤの思想/ムハンマドの時代の信仰への回帰/
 次々と出現した過激なイスラム集団、ほか

第9章 殺戮の罪は許されるのか
 「一神教」または「多神教」という観点から/神道における武装した神々/『古事記』に描かれた天照大神の怒り/
 「武神」八幡神の信仰/神社に託された戦勝への願い/密教と陰陽道による呪詛の広がり/日本における「殺戮の宗教史」/
 悪人正機説の危険性/殺戮を行った者は救済されないのか/許すということの難しさ/
 宗教は殺戮を肯定するものか、否定するのか、ほか

おわりに

内容説明

十字軍、魔女狩り、9.11同時多発テロ、そしてイスラム国(IS)やアルカイダなどイスラム過激派によるテロまで―。なぜ神の名の下に行われる「殺戮」は止まらないのか?果たして「和解の道」はあるのか。宗教的テロの時代を理解するための必読書!

目次

第1章 宗教的テロリズムの二一世紀
第2章 イスラム教は危険な宗教なのか
第3章 知られていないイスラム教の根本原理
第4章 原理主義の背後にある神の絶対性
第5章 神による殺戮と終末論の呪縛
第6章 異教や異端との戦い―十字軍について
第7章 善悪二元論という根源
第8章 聖戦という考え方
第9章 殺戮の罪は許されるのか

著者等紹介

島田裕巳[シマダヒロミ]
1953年東京生まれ。東京大学文学部宗教学宗教史学専修課程卒業、東京大学大学院人文科学研究課博士課程修了。放送教育開発センター助教授、日本女子大学教授、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員、NPO法人葬送の自由をすすめる会会長を歴任。現在は作家、宗教学者、東京女子大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

65
センセーショナルなタイトルだが、内容は極めて真摯。イスラム教やキリスト教、仏教や神道等が内在している殺人や罪といったものをどう捉えているかという事について記されている。悪人正機や唯除五逆については捉え方が違っているようにも思えるが。それでもイスラム原理主義が根拠としている部分やアルカイダの組織、アメリカの福音原理主義等が説かれ、目から鱗の部分も非常に多い。特に一神教が内に含む二元論は非常に興味深く読めた。自分のようなイスラムに対して半可通の知識しか持っていない者に対しても、丁寧に教えてくれる一冊であった。2016/05/12

そうたそ

29
★★☆☆☆ タイトルにつられて読んだが、思っていた内容と違い、しまったなという感じではある。殺戮、宗教と聞くとオウム真理教を思い浮かべるが本書ではそういった新興宗教のトピックはほぼ皆無で、イスラム、仏教、キリスト教の話題が大半を占める。かなり専門的な内容に終始しており、初心者には敷居の高い内容である気はする。2017/07/21

Cinejazz

12
人間は「死」を免れることが出来ない。「死」をどのように捉え向かい合えばよいのか、この問題に対処し導きを得るための「宗教」が必要となる。人類の歴史は「死生観」に根ざした宗教がぶつかり合う生存競争であり、信仰する宗教と政治信条の相違が必然的に殺戮を生むことになった。宗教(神も仏も)は、殺人を戒め抑制する役割を担っているが、戦争やテロによる殺戮が繰り返されてきている。全人類の四分の一を超えるイスラム教は、武力による拡大を正当化し聖戦を旨とする。全人類の無宗教化で殺戮の宗教史が幕を閉じるのか、甚だ疑問が残る。 2021/08/17

遊々亭おさる

12
宗教は概ね信者への説法や布教活動において世界平和を謳っているものと思うが、現実では宗教の名のもとでテロが頻発し、終わりの見えない泥沼に陥っている21世紀。世界三大宗教を中心に、宗教が殺戮を誘発する根幹を説明した一冊。唯一無比の絶対神を崇め奉るキリスト教とイスラム教の問題と捉えるのは間違いのようで、多神教においても殺戮の萌芽を促す危険性はあるとの事。無条件に信じきれる存在は生きる力になると思うも、宗教という仕組みが持つジレンマがある限り諸刃の剣であり続ける。宗教がある限り、答えの出ない問いを考え続けるのか。2016/04/18

Yohei

5
世界史と殺戮史はリンクしている。善悪二元論に立つ時、人は優劣の感覚から殺戮へと向かっていってしまうのかもしれない。2019/04/05

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