内容説明
カラン、コロン、と駒下駄の音を響かせて姿を現すお露とお米の幽霊…。足がないとされている幽霊に駒下駄の音を響かせ、聴衆を戦慄させた『怪談牡丹燈籠』。作者三遊亭円朝は、どのようにしてこの作品を練り上げ、怪談噺の傑作に仕立て上げたのであろうか。原典となった中国明代の怪異小説、素材となった実際の殺人事件、作品の構成から背景・系譜・人物造形・作劇手法など綿密に考証し、作品の魅力に迫る。
目次
上 「怪談牡丹燈籠」を検証する(「怪談牡丹燈籠」と速記本;「怪談牡丹燈籠」の構造;テレコと綯い交ぜによる構成 ほか)
中 「怪談牡丹燈籠」の種本(二つの筋と登場人物;幽霊の足音;幽霊足跡考 ほか)
下 「怪談牡丹燈籠」の周辺(かさね伝説の系譜;芸能・文芸化される怪談;高座の円朝―怪談噺の終焉)
著者等紹介
石井明[イシイアキラ]
1936年横浜に生まれ、葛飾の柴又で育つ。出版社を定年退職の後、著述にいそしむ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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